ハンセン病 家族補償、最大3万人 超党派議員、法案提出へ

西日本新聞 一面 中野 雄策 一瀬 圭司 一ノ宮 史成

 ハンセン病元患者家族への補償制度づくりを検討している超党派の国会議員グループは24日、補償額を1人当たり最大180万円とする補償法案の骨子を決めた。らい予防法が廃止された1996年4月より前に発症した患者の家族であることが条件で、国は2万~3万人が対象になると見込んでいる。法案は今国会で議員立法により成立する見通し。元患者への補償開始から18年を経て、差別を受けた家族に対する補償の枠組みがまとまった。

 同日開かれた議員グループの全体会合で骨子案を承認した。グループの代表の一人、森山裕自民党国対委員長は会合で「原告には苦しい判断もあっただろうが、今国会成立を目指すにはこの案がベストとなった」とあいさつした。

 その後、国会内で家族訴訟の原告弁護団が記者会見し、林力原告団長(95)=福岡市=は「(差別、偏見によって)人生が侵害を受け、この金額であがなえると合点するものは誰もいないと思う」としながらも「補償金が出ることはありがたい」と話した。

 国は補償事業で350億~500億円の予算規模を想定している。加藤勝信厚生労働相は記者団に対し「補償を早期に実施し、偏見、差別の解消に向けて関係省庁と連携を図って全力で取り組む」と述べた。

 骨子では元患者の親と子、配偶者に180万円、きょうだいや同居歴のある孫やおい、ひ孫らに130万円を支払う。補償対象には、6月の熊本地裁判決で認められなかった2002年以降の被害や、1972年以前の米国統治下における沖縄県での被害も含めた。原告のうち訴訟中に死亡した約20人については補償金と同額の一時金を支給する。法案の前文には、国会と政府を主語にして家族への反省とおわびを明記した。

 熊本地裁判決は家族への差別被害を認め、原告541人に1人当たり30万~130万円を賠償するよう国に命じた。7月に安倍晋三首相が控訴見送りを表明して判決が確定。訴訟に参加していない家族も含め、政府による新たな補償制度づくりが進められてきた。(一瀬圭司、中野雄策、一ノ宮史成)

 ◆ハンセン病 ノルウェーの医師ハンセンが発見した「らい菌」による感染症。末梢(まっしょう)神経がまひして皮膚のただれなどの障害が残る可能性があるが、感染力は弱い。日本では1907年ごろに国と県が療養所への患者隔離を始め、31年の旧らい予防法で強制隔離を法制化した。47年の治療薬開発後も強制的な不妊・中絶手術といった人権侵害が続いた。法律は96年に廃止。元患者による訴訟で2001年に熊本地裁が隔離政策の違憲性を認定。今年6月に同地裁は家族への差別被害を認めて国への賠償を命じた。

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