ホークス3連覇 地元密着の強さをさらに

西日本新聞 オピニオン面

 「圧倒的」「強すぎる」。そんな言葉も飛び交う、球史に残る勝ちっぷりだった。プロ野球の福岡ソフトバンクホークスが日本シリーズ4連勝で、球団初の3年連続の日本一に輝いた。前身の南海、ダイエー時代を含むと10度目の栄冠である。

 平成では最多7回の日本一を誇るホークスだが、令和のスタートでもセ・リーグ覇者の巨人を寄せ付けなかった。九州の球団として昭和の時代に3年連続日本一を達成した西鉄ライオンズ以来の強さであり、まさに「黄金時代」を実感させる。

 レギュラーシーズンは主力の故障続出に泣き、残念ながら終盤で西武に逆転を許し、2年連続の2位に甘んじた。その悔しさをバネに臨んだクライマックスシリーズ(CS)でも初戦は楽天に不覚を取ったが、土俵際からの10連勝は地元だけでなく全国の野球ファンを沸かせた。

 分厚い選手層を生かした大胆な用兵は、日本シリーズ経験が豊富な工藤公康監督ならではだったと評価したい。選手たちも起用に応え、役割を果たした。先発投手がゲームをつくり、充実のリリーフ陣が抑えの森唯斗投手につなぐ。攻撃陣も相手のミスを逃さず、勝負強かった。

 特筆すべきは育成出身選手の活躍だろう。エース千賀滉大投手、巧みなリードで巨人打線を封じた甲斐拓也捕手、攻守に好プレー連発の牧原大成選手、代走の切り札として球場を沸かす周東佑京選手らである。潤沢な資金を生かした有力選手獲得だけでなく、地道な育成努力を続けてこその3連覇と言える。球界をリードする取り組みだ。

 ホークスは今年、福岡移転30年を迎え、選手のユニホームには「WE=KYUSHU」のロゴが着けられた。地元球団としての根の張り方はこちらも球界屈指だろう。宮崎市の春・秋季キャンプは今や風物詩であり、九州各地のファンが訪れる。育成拠点のタマホームスタジアム筑後(福岡県筑後市)は2軍戦のほか、家族連れでも楽しめるイベントなどがあり、選手を身近に感じられる場所として人気だ。百貨店などの優勝セールは地域経済の活性剤でもある。

 熊本地震や九州豪雨などの被災地支援にも力を入れている。球団にはこうした地域密着の活動に一段と力を入れてほしい。それが球団経営の強さにもつながる。本拠地ヤフオクドームの観客動員数は今季、2005年以降で最多だった。

 他方、レギュラーシーズンの優勝チームが必ずしも日本一にならない、現行CS制度に違和感を持つ野球ファンがいるのも事実だ。ホークスには来季こそリーグ優勝も果たし、完全な「日本一」を目指してほしい。

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