この絵なんと読む? 江戸の庶民と知恵比べ 行橋・増田美術館で「判じ絵展」

西日本新聞 北九州版 石黒 雅史

 行橋市増田美術館(同市行事)で開かれている「江戸のなぞなぞ 判じ絵展」は、江戸時代に流行した判じ絵約100点を展示している。判じ絵は、道具や生き物、人、地名などを、しゃれを利かせて読み解く浮世絵版画。展示品は、江戸の文化を伝える美術品であると同時に、今でも楽しめるクイズ集でもある。目の前の絵をどう解くか、江戸の庶民と知恵比べだ。

 判じ絵研究の第一人者の岩崎均史・静岡市東海道広重美術館長によると「判じる」とは、推し量って考えること。明確な絵解きのマニュアルはなく、作者の意図を推測しなければ解けない。

 例えば、子どもに着物を着せている母親の絵から小間物を当てる設問。答えは「きせる」。母親も子どもも直接は関係なく、着せる行為を描写しただけだ。また、木箱に「田」という文字が入っている絵。答えは「たばこ入れ」。荒唐無稽な設問も珍しくない。

 描かれた様子が解答とは限らない。犬を「ワン」、キツネを「コン」と読ませたり、鈴が「リン」、三味線が「ベン」、円形が「わ」だったりする。桜の中心部が空白だったら「さら」、サルに濁点を付けて「ざる」、妻が逆立ちをして「松」などもある。

 判じ絵の起源は、岩崎館長でも正確には分からないという。江戸初期には原型が存在し、中期にはほぼ形が整った。今でいうなら、雑誌や漫画本を楽しむようなものだろうか。1枚がかけそば1杯程度、今の300円から500円くらいで買えたようだ。朝、家々に問題を投げ込み、夕方に答えを売り歩く商売もあったらしい。おおらかさや「しゃれ」「粋」といった時代の空気が伝わってくる。

 展覧会は12月15日まで、月曜休館(月曜が祝日の場合は翌火曜が休館)。一般800円、大学・高校生500円、中学生以下無料(11月3日はすべて無料)。市増田美術館=0930(23)1824。 (石黒雅史)

 判じ絵の答えは(1)茶釜(2)びわ(3)太鼓(4)ぞうきん(5)まな板

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