「古里」イメージで交流拡大 赤村・道村長インタビュー

西日本新聞 筑豊版 大塚 壮

 村制施行130年の節目を迎えた赤村。豊かな自然と今川の清流が育むおいしい米、野菜が取れる。一方で高齢化が進み、労働人口は減る。村が直面する課題や今後進むべき道などを道広幸村長に聞いた。

 -かつて赤村では合併問題をめぐって村長辞職、村議会解散も起きている。130年間、どことも合併せずに刻んだ歴史に村民は誇りを持っているのでは。

 道 先日、中学の同窓会に出席したが、「赤村を残してほしい」という多くの声を聞いた。村には「古里」というイメージがあり、村外在住者ほど強い。このイメージを大事に「大いなる田舎」をアピールしていきたい。

 -今の最大の課題と対策は。

 道 3131人の人口(10月1日現在)のうち、60代以上の人が約47%。30~59歳が約30%、29歳以下が約23%と、年齢別人口構成が非常に高齢化し、労働人口と婚礼期にある人の数が減っていくことだ。若い人に、どうやって村に残ってもらい、また新しく入ってきてもらうかだ。

 定住促進のため、公営住宅の建て替えを進めるとともに、所得に制限なく入居できる新しい形の公営住宅の開発や空き家をリフォームして貸し出すことも検討している。

 基幹産業は農業。働く場所を確保するため、農家の育成と組織化が必要だ。耕作放棄地を集約し、農地として回復させることも積極的に取り組まなければならない。

 -1990年代初頭にオープンした特産物センターと自然学習村「源じいの森」は、道の駅の先駆けだった。近年、周辺に類似の施設が増え、集客に苦戦している。

 道 労働人口が減り、農産物の生産力が落ちていく中、特産物センターと源じいの森をどうしていくかも大きな課題だ。施設の充実のために改革に取り組まなければならない。

 一方で、村内の既存の商店は高齢化のために次々と閉店した。村民は日常の買い物にも困っている。地域おこし協力隊の力を借り、買い物に行けない人のために商品の配達も始めた。高齢化対策として、配達力を持った商業施設、「赤村スーパー」が必要ではないかと思っている。

 -農業体験イベント「DO YOU 農?」には、毎回多くの来場者がある。

 道 村の活性化のかぎは、村外在住者との交流人口をいかに増やすかだ。特産物センターと源じいの森を核にして、いかに多くの人に村に来てもらうかを考えている。

 現在、春の田植えと秋の稲刈り、年間2回のイベントだが、四季を通じて赤村に来てもらうために工夫しなければいけない。今は米だけだが、タケノコや野菜の収穫などもメニューに加えていければと思う。

 さらに、依然として行政がやっているという現状から、民間主導でイベントを展開していけるように考えていきたい。

 赤村は何と言っても米がおいしい。ぜひ、赤村に来てください。 (聞き手・大塚壮)

   ◇    ◇

赤村130年の歴史

1889年 赤村と内田村が合併して赤村となる

  95年 豊州鉄道田川線完成、油須原駅開業

1904年 赤村財政力調査、総人口3290人

  05年 立石峠油須原ずい道完成

  45年 上赤に米軍機による空襲、死者5人

  51年 赤村の人口5102人

  54年 県から町村合併計画勧告

  55年 町村合併協議が不調に終わる

  57年 村長辞職、村議会解散 村長、村議選

  64年 東京五輪を記念し、赤村健脚競技大会

  74年 村出身の歌手西川峰子さんが日本レコード大賞新人賞受賞

  84年 役場が新築移転

  87年 村おこし体験農業始まる

  91年 特産物センターオープン

  92年 自然学習村源じいの森完成

  96年 源じいの森敷地内で温泉掘削に成功

2002年 特産物センターが農林水産大臣賞受賞

  19年 ふるさと応援大使に仁支川峰子氏就任

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