亡くなった人を悼み霊前に供える香典…

西日本新聞 オピニオン面

 亡くなった人を悼み霊前に供える香典。不祝儀袋にお金を入れて遺族に手渡すのが通例だが、お香や線香の代わりという意味でこう呼ばれる

▼仏教では香は不浄をはらい心身を清めるとされる。それは仏が住む浄土の香りとも、あまねく広がる仏の慈悲を表すとも

▼ことわざに「仏の顔も三度」と言うが、この人の疑惑は三度ではきかぬ。菅原一秀経済産業相が辞任した。地元の有権者に香典などを配ったと週刊誌が報じ、菅原氏も「秘書が出した」と認めた。本人が弔問して直接渡す場合は例外だが、秘書が持参すれば寄付行為を禁じた公選法違反の疑いは免れない

▼不浄をはらうどころか、何とも不浄な香典である。菅原氏を巡っては、有権者にメロンやカニなどを贈っていたとの報道もある。メロンやカニのいい匂いまで生臭く思えてくる

▼あろうことか、関西電力の役員が地元有力者から多額の金品を受け取っていた問題の担当大臣がこの人である。「由々しき事態だ」と厳しく批判し、徹底解明を求めた。どの口が。政府、与党も慈悲の施しようがあるまい

▼地元でうちわを配って同法違反の疑いを指摘され、法相を辞めた松島みどり氏の前例もある。政治家はどうして学ばないのか。ちなみに菅原氏は消費税増税に伴うキャッシュレス決済のポイント還元制度の推進役を担っていた。有権者に還元したキャッシュで不祝儀な事態に陥るとは皮肉な話だ。

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