【ひと】博多・天神落語まつりの企画会社社長 菊田敏明(きくた・としあき)さん

西日本新聞 総合面 宮原 勝彦

 上方(関西)や東京の寄席にも負けない落語イベントが福岡の地で育ったと自負している。11月1~4日、福岡市などで開催される「第13回博多・天神落語まつり」。秋の福岡にすっかり定着し、今回は4日間にわたり52人の有名落語家が出演。落語イベントとしては日本最大規模だ。

 1985年に企画制作会社「アム・サポート」を設立。最初は落語との縁はなかった。同市で続いていた「柳家小三治独演会」を企画する別会社の担当者が急病になり、その担当者と知り合いだったことから急きょ独演会を引き継ぐことに。約30年前のことだ。後に人間国宝になった小三治さんの芸に触れ、会場を笑いや悲しみに包む噺家(はなしか)の魅力を知った。「福岡で落語をもっと身近にできないか」

 13年ほど前、六代目三遊亭円楽(当時、楽太郎)さんと出会い、思いを告げた。「おう、いいよ。落語家はそろえるから菊さんは地元を固めて」。二つ返事だった。会場やホテルの確保、協賛探し、宣伝、演者で異なる移動手段…。「一つ一つ解決して前に進みました。最初から膨大な仕事量だと分かっていたら投げ出していた」。2007年、第1回の開催にこぎ着けた。

 出演者や客の声を大事にする。通常の落語会の定番といえる金屏風(びょうぶ)と赤毛せんは、高座が続き長時間になると客の目に負担がかかると聞き撤去。裏方の大工の協力を得て和室の雰囲気に改めた。パンフレットや会場には寄席文字書家による文字が躍動する。「お客さん目線を忘れずにいたい」と笑顔を見せた。福岡市中央区に妻、子どもと3人暮らし。64歳。 (宮原勝彦)

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