菊池恵楓園34人の救済認定 旧優生保護法強制不妊巡り

西日本新聞 社会面 和田 剛

 旧優生保護法下の強制不妊手術を巡り、国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(熊本県合志市)の入所者34人が、救済法に基づく一時金320万円の支給対象者に認定されたことが分かった。全国最多の180人が入所する恵楓園での認定は初めて。認定者が増える可能性もあり、ハンセン病療養所で強制不妊手術が繰り返された実態が改めて浮き彫りになった。

 恵楓園と入所者自治会は4月の救済法成立を受け、入所者に認定制度を周知。園内の医師による診察やカルテに基づき手術歴を確認し、第1陣として35人が厚生労働省に申請した。9月30日に開かれた厚労省の第4回認定審査会で34人が認定され、1人が追加調査が必要な保留とされた。

 入所者の平均年齢は84・5歳。太田明入所者自治会副会長(75)は「多くの先輩が不妊手術のつらい体験をしてきたが、誰にでも話せることではなく、申請をためらう人もいる」と話す。入所者の約3割が認知症で、被害があっても申請の意思確認が難しい場合があるという。

 厚労省のハンセン病問題検証会議が2005年にまとめた報告書によると、戦前の療養所では、入所者の逃走を防ぐため園内での結婚を認めると同時に、非合法で不妊手術を行った。1948年に旧優生保護法により合法化され、96年の法廃止までハンセン病を理由として全国で1551人が手術を受けたとされる。

 療養所では不妊手術のほか妊娠中絶も行われたため子どもがいない入所者が多く、社会復帰を難しくする原因にもなった。太田さんは「他の療養所にも、申請したい人が声を上げやすいよう救済法の周知を呼び掛けたい」としている。

 厚労省によると、9月末時点で審査会は恵楓園の34人を含む134人(女性105人、男性29人)を認定し、12人を否認した。審査会を経ず資料のみで認定された人は59人いる。 (和田剛)

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