山下達郎らと奏でた、シティー・ポップ黎明期 福岡市の緒方さん ロフト・セッションの未発表音源リリース

西日本新聞

 1970~80年代の日本で誕生した「シティー・ポップ」が近年、海外で人気を集めている。その黎明(れいめい)期をけん引した山下達郎さんらとライブを重ねた元プロミュージシャンのキーボード奏者が福岡市にいる。映画配給会社「九州シネマ・エンタープライズ」取締役の緒方泰男さん(65)がその人だ。この秋、東京のライブハウスなどで活躍した緒方さんらミュージシャンたちのセッションアルバムのアウトテイク(未発表音源)盤がリリースされた。

 緒方さんは福岡市生まれ。7歳の頃からピアノを始め、高卒後の18歳から地元でプロ活動。ヤマハ系音楽学校で学んで1975年に上京した。

 シティー・ポップの先駆けバンド「シュガー・ベイブ」の解散後、初となる山下達郎さんのソロライブに参加。伊藤銀次さん、吉田美奈子さん、山岸潤史さんらとも共演した。76年に坂本龍一さんの後任として「りりィ&バイバイ・セッション・バンド」に参加する一方、東京・下北沢などの「ロフト」でセッションライブを重ねた。

 今秋発売されたのは、当時、ロフトで活動した女性歌手たちと、緒方さんら当時20代の気鋭のミュージシャンたちが組んで仕上げたセッションアルバム「ロフト・セッションズ VOL・1」(78年)の収録曲のうち、新たに見つかった6曲8バージョンの未発表音源を収めた「ロフト・セッションズ・アウトテイクス」。未発表音源に加え、6曲のオリジナル音源を収めた2枚組CDだ。

 緒方さんがセッション・リーダーでキーボード奏者として参加している楽曲は「こぬか雨」(作詞・伊藤銀次、山下達郎/作曲・伊藤銀次)。シュガー・ベイブで山下さんが歌ったが、解散に伴いレコード収録の機会を失い「幻の名曲」と呼ぶファンもいたという。後に、伊藤銀次さんのソロアルバム「デッドリイ・ドライブ」に収録された。

 「-アウトテイクス」の「こぬか雨」は、歌はソウルフルな高崎昌子さんが担当。バイバイ・セッション・バンドの田中章弘さん(ベース)らが参加している。

 オリジナルは、軽快なリズムギターとベース、ドラムに、歌心あるキーボードがバランスよく絡み、黎明期のシティー・ポップらしい洗練された仕上がりだ。一方で、アウトテイクの音源はダビング調整をしておらず息遣いが伝わるような味わいがあり、聞き比べた緒方さんは「リズムが暴れた感じで生々しい。歌が艶っぽい」と語る。

福岡県の天気予報

PR

PR

注目のテーマ