「宝楽」継承へ保存会 九重町・宝八幡宮の伝統芸能 後継者育成目指す

西日本新聞 大分・日田玖珠版 鬼塚 淳乃介

 九重町松木の宝八幡宮の秋季大祭で奉納される県無形民俗文化財「宝楽」を後世に継承するため、地元の有志が保存会を発足させた。同八幡宮の氏子が多く住む松木、恵良地区では過疎化や高齢化が進んで宝楽の断絶が危惧されており、地元の“若手”に働き掛けて後継者の育成を目指す。

 関係者によると、宝楽は江戸時代の1752年に始まったと伝わる。2人一組になって軽快につえを打ち合う「杖(つえ)楽」を舞ったり、杖楽にあわせて「コモラシ」と呼ばれる赤装束の子どもたちが拍子木を打ったりする伝統芸能だ。

 宝楽は指導者による口伝によって継承されてきたが、この30年で氏子は50軒ほど減少して約400軒になり、指導者の高齢化も進んでいる。杖楽とコモラシを継続的に指導しているのはそれぞれ1人のみで、指導者の育成は喫緊の課題になっていた。

 伝統継承のため、楽の指導者を中心に保存会が発足したのは今年9月。地域では兼業農家が増えており、以前は宝楽に参加していたものの、仕事のために練習への参加をためらっている若者たちに練習に来るよう、保存会として働き掛けていく。さらに、入会した若者に積極的に役員を任せ、伝統文化の指導者を育んでいくという。

 今年の秋季大祭は今月7~9日に行われ、伝統的な宝楽が無事に奉納された。ただ、昨年から、参加者の高齢化を受け、みこし行列が軽トラックを使った神幸になっており、現在3基あるみこしも将来的には1基にするかもしれないという。同八幡宮の甲斐素純宮司は「地域の住民の理解を得つつ、変えていくところは変えていく」と話した。(鬼塚淳乃介)

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