秋の長雨は例年「9月頃に現れる」(気象庁ホームページ)とされ、東日本では梅雨より、この時期の方が雨量が多い…

西日本新聞 オピニオン面

 秋の長雨は例年「9月頃に現れる」(気象庁ホームページ)とされ、東日本では梅雨より、この時期の方が雨量が多い。それも激しい雨ではなく、しとしと降り続く印象が強かった。今年は様変わりである

▼全国的に9月の降水量は平年を下回ったところが多かった。それが10月に入って一転。特に東日本は先の台風19号による記録的豪雨で同時多発的な洪水に見舞われ、死者・行方不明者が100人近くに達した

▼千葉県は2カ月足らずの間に3度も災禍に直面した。9月の台風15号で長期間の停電、19号では竜巻、さらに先週末には21号と低気圧の影響で洪水や土砂災害…。そもそも台風被害が東日本に集中すること自体、珍しい

▼関東や長野、福島などの10月の降水量は目下、平年の2~3倍超。一連の水害では自治体が作成するハザードマップ(浸水予測地図)が生かされていない現実も露呈した。各地で予測通りの地域が浸水したが備えは不十分で、住民の避難や救助作業は混乱した

▼国政も危うい。防災の在り方が問われるさなか、経済産業相が不祥事で辞任した。第2次安倍晋三政権下での閣僚の辞任は実に9人目。こちらはモラルハザード(倫理観の欠如)である

▼秋の長雨は秋霖(しゅうりん)、すすき梅雨とも呼ばれ、風情も醸し出してきた。それも気候変動が進む今日、優先すべきは災害への備えか。天気図をにらみつつ国政への監視も強めねばなるまい。

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