早熟センダン、家具材に 耕作放棄地活用、200ヘクタール植林へ 県が育成法開発 大川家具と製品化共同研究

西日本新聞 熊本版 和田 剛

 県が、全国有数の家具産地である福岡県大川市の協同組合と共同で、成長の早いセンダンで家具を作る研究に取り組んでいる。天然のセンダンは枝分かれしやすく太い材木を取るのが難しかったが、県が開発した芽かきの技術を活用すれば、幹を垂直に伸ばせるという。「丈夫で加工しやすく木目が美しい」と家具材としての評価も高く、県は耕作放棄地など約200ヘクタールでの植林を目指している。

 「皆さんが大人になった10年後には大きな木に育ち、記念の木製品が作れます」。菊陽町の苗畑で14日、県が呼び掛けたセンダンの植樹会があり、親子連れ約50人が200本を手植えした。高さ30センチほどの苗は2~3年で高さ6メートルほどに成長し、10年後には高さ12メートル、胸の高さの直径が20センチを超すという。現地では、樹齢43年のスギより大きな樹齢10年のセンダンの輪切りが展示され、参加者が成長の速さに目を見張った。

 センダンは九州・沖縄や四国などの温暖で日当たりの良い場所に自生する広葉樹。県は1997年、センダンが細かく枝分かれし横に広がる性質を克服するため、脇芽を取り除き幹の先端付近の芽だけを伸ばす技術を開発した。成長が早いため、1年目に2、3回、2年目に3、4回芽かきをすれば、高さ約6メートル近くまでの枝分かれを防ぐことができ、その後成長しても長い材木が取れる。危険を伴う高所での枝打ちをしなくて済む利点もあるという。

 家具製造業者でつくる協同組合「福岡・大川家具工業会」は2017年度から、熊本県産のセンダン材を使った「SOUSEI(早生、創生)」ブランドの家具作りを進めている。これまで輸入材のウォールナットやオークで作っていたテーブルや椅子などの人気商品をセンダンに置き換え、家庭向けに販売を始めた。植樹会に参加した事務局の石橋周平さんは「センダンは堅く加工性がすごく良く、あらゆる家具に向いている」と高く評価する。

 県林業研究・研修センターは将来的に、大川家具に年間600立方メートルの県産センダン材を供給する目標を掲げる。樹齢15~20年で直径30~40センチ、長さ4メートルの木材が取れるため、現在県内に33・7ヘクタールある植林面積を200ヘクタールに増やせば対応できると試算する。

 ただ、センダンを急成長させるには、養分と水分が豊富な土地が必要で、同センターは各地で増えている耕作放棄地の活用を検討する。横尾謙一郎育林環境部長は「センダンは、川や道路脇に勝手に生え、まっすぐ育たないので邪魔者扱いされることもあった。木材としての優れた性質を知ってほしい」と話す。(和田剛)

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