かんぽ販売額偏重転換 見直し案判明、預かり資産重視 来年度から

西日本新聞 一面 宮崎 拓朗

 かんぽ生命保険の不正販売問題を受け、日本郵便が検討している金融営業の見直し案が関係者への取材で判明した。顧客に不利益となる乗り換え契約が相次いだ反省を踏まえ、営業目標の設定を販売額から預かり資産額に改める。また顧客本位の営業を徹底するため、営業担当の郵便局員に金融に関する専門資格を取得させ、保険から投資信託まで金融商品全般を取り扱えるようにする。労使交渉を経た上で来年度から段階的に見直し、2023年度の完全実施を目指す。

 見直し案は、社内に設置した営業改革タスクフォースがまとめた。

 現行の営業目標は、商品の販売額をベースに設定されていた。このため、一部の局員が営業実績を稼ごうと顧客に加入している保険契約を意図的に解約させ、新たに同じ内容の契約をさせる乗り換え契約が横行していた。

 見直し案では、販売額から解約額を差し引いた「純増額」を指標化し、顧客からの預かり資産額を重視。顧客満足度に関する指標を新設し、契約後のアフターフォローにも力を入れる。既存の顧客向けが中心だった営業手法を改善するため、新規顧客の開拓をより評価する仕組みに変える。

 不正の温床と指摘されていた営業手当の支給方法も見直す。これまでは販売額に応じて制限なく支給されていたが、営業の質やコンプライアンスの順守などを総合的に加味する。乗り換え契約時に半額支給されていた手当は廃止する。

 営業担当の局員を「金融コンサルタント」と位置づけ、顧客の資産状況や将来設計に応じた幅広い金融商品を提案できるようにする。ファイナンシャルプランナーなどの専門資格を取得するための手当支給を検討する。適性に応じた局員を営業職に配置するため、営業担当と窓口担当との間の人事異動も柔軟に行えるようにする。

 現場の管理を強化するため、日本郵便各支社に「コンサルティング本部」(仮称)を設置。全国に約1万5千人いる営業担当局員の配置については、収益が確保できる地域を中心に集約する。

 日本郵便幹部は「信頼回復は容易ではないが、体制の見直しで顧客本位の営業の第一歩にしたい」と話した。 (宮崎拓朗)

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