タイを3日間旅した…

西日本新聞 オピニオン面

 タイを3日間旅した。首都バンコクのチャオプラヤ川の岸辺で黄金宮殿のような建物に度肝を抜かれた。昨年開業した複合施設「アイコンサイアム」。延べ床面積はヤフオクドーム7個分の52万平方メートル。日本から高島屋やユニクロも出店する

▼路銀乏しい身ゆえ高級店は素通りし内部を進むと、巨大市場が。タイ全77県の特産品や食品が売られ、値段も手頃。ここで半日過ごした

▼翌日は水上市場や線路上の市場へ。舟がぶつかるほど近づき品物を売り込む。列車が通過するや否やテント屋根を出し営業を再開する。商魂のたくましさと「サワディカ(こんにちは)」の笑みに心和んだ

▼国連世界観光機関の2017年統計によると、タイは海外観光客が落とす国際観光収入でアジア1位。世界全体でも米国、スペイン、フランスに次ぐ4位だ。これだけ多彩な体験ができるならうなずける。五輪を控えた日本も見習う点は多い

▼旅の最後はアユタヤへ。ビルマ(現ミャンマー)に滅ぼされるまで王朝が栄えた地。夕闇迫る遺跡には頭のない仏像が数百体も並んでいた。ビルマ軍が金箔(きんぱく)が施された仏頭を切り落とし略奪したそうだが、人々の信仰心まで打ち砕く狙いもあったのでは。むごすぎる…

▼遺跡東端の大木に足を向けた。数百年前に切り落とされた仏頭が、木の幹に包まれ慈悲深い笑みを浮かべていた。「平和」あってこその「観光」-。そう思い知った。

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