私に合うワインは 果物の好みをヒントに

西日本新聞 くらし面

 スーパーやコンビニに、産地も色合いもさまざまなワインが並んでいます。11月の第3木曜には、フランスの新酒「ボージョレ・ヌーボー」も解禁されます。自分の口に合うワインの選び方や、これからの時季の楽しみ方を教えてください。

 猫の小町と申します。皆さんのお困り事をたちまち解決していきます。日本ソムリエ協会の認定ソムリエで、ワインと総菜の専門店「ラ・カーヴ・ド・モンターニュ」(福岡市博多区)の店長、山室裕子さん(51)にお話を聞きました。

 まずは何を基準に選んだらいいのでしょうか。山室さんによると(1)酸味と甘みのバランス(2)苦み、渋み(赤ワインの場合)-の好みがポイントだそうです。

 「好きな果物と嫌いな果物、好きな野菜がヒントになります」と山室さん。果物は、かんきつ類やキウイ→リンゴや梨→桃やブドウ→マンゴーやパイナップルなどトロピカルフルーツ-の順に並べます。上位ほど酸味が、下位ほど甘みが強いです。酸っぱい果物が好きなら酸味の強いワインを、甘いフルーツ派は酸味が穏やかなものを選ぶといいそうです。

 赤ワインは、搾った果汁のみを発酵させる白ワインと異なり、皮も種も果汁に漬け込んで発酵させる製法で作るので、苦みや渋みがあるのが特徴です。ピーマンやホウレンソウが好きな人は渋みの強いブドウの品種のカベルネ・ソーヴィニヨン、キュウリやセロリなど渋みが少ない野菜を好む人は、ピノ・ノワールがお薦めです。

 酸味と甘みの強弱はどう見分けたらよいでしょうか。欧州は、土地ごとに生産する品種が法律で決められているため、産地のみラベルに表記されてブドウの品種は書かれていません。フランス北部やドイツ、イタリア北部、オーストリアなど冷涼気候の産地のワインは酸味が強い傾向があります。これに対してフランス南部、イタリア中南部、スペインなど温暖な地域は、酸味が少なく甘みを感じられるワインが主流です。

 米国、オーストラリア、アルゼンチン、チリなど欧州以外の「新世界」の生産国で作られたワインは、ラベルに品種名が記されています。代表的な品種を挙げると、酸味が強い白ワインはリースリング、赤はピノ・ノワール、酸味が少ない白ワインはシャルドネ、赤ワインはメルロなどです。

 山室さんは、レコードの「ジャケ買い」(表紙を気に入り直感で購入すること)のように、ラベルの好みで選ぶことも推奨しています。「ラベルのデザインは生産者が選ぶため、ワインの特徴をよく表しているから」だそうです。

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 冬が近づくと、ドイツ発祥の祭典「クリスマスマーケット」が日本各地でも催されます。お祭りの定番の飲み物、ホットワイン(グリューワイン)の作り方を紹介します。

 ★ホットワイン(赤ワインの場合)

 材料は、赤ワイン200ミリリットル▽オレンジのスライス1枚▽黒こしょう2粒▽クローブ1個▽八角1粒▽シナモン1枚▽ショウガのスライス1枚▽ローリエ1枚。

 これらの材料を鍋に入れて、火にかけます。沸騰したらすぐに火を止め、こしてマグカップなど容器に移します。蜂蜜や砂糖をお好みで入れたら出来上がり。熱し続けるとワインから炎が上がることがあるので注意。調味料は、ホットワイン用に市販されている粉末スパイスで代用してもOK。粉末の場合は一緒に煮詰める必要はなく、沸かした後のワインに直接入れて混ぜるだけで大丈夫です。

 西洋版の卵酒のようなホットワイン。山室さんは「風邪のひき始めや体の冷えが気になるとき、ぽかぽかに温めてくれますよ」とお薦めしています。

 飲み切れなかったワインは、ボトルに半分程度残っている場合はコルクで栓をして冷蔵庫で保管すれば、1週間は味や香りを保ったまま保存できます。ボトルの3分の1以下しか残っていないときや1週間以上持たせたいときは、劣化を防ぐためにコルクより真空のストッパーを使った方がいいです。

 毎年ボージョレ・ヌーボーが解禁されると、百貨店や専門店に特設コーナーが登場します。山室さんは「生産者が1年間、気候に悩まされ虫や鳥の被害も乗り越え、やっとブドウを収穫できたことを祝う喜びのお酒。普段ワインを飲まない人も手に取る機会になったらうれしい」と言います。ただ「若いお酒なのでアルコールの成分は体に吸収されやすい状態です。口当たりが良いからといって、飲み過ぎない程度に味わって」と忠告しています。

 お助けいただきありがとうございました。 (国崎万智)

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