不満あっても「トランプ」 支持者ら「雇用改善」「主張貫き共感」

西日本新聞 国際面 田中 伸幸

 来年11月の米大統領選で再選を目指すトランプ大統領は、議会下院で弾劾調査が進むなど混迷が続き不支持率も高い。ただ一方で、支持率は40%前後を維持する。「確かに問題は多いが総じてよくやっている」。大統領選まで1年。トランプ氏の支持者は、不満はあっても及第点には達していると自信を深めている。

 南部バージニア州の大学生バースさん(19)は来年、有権者として初めて大統領選を迎える。今は来月5日に実施される州議会議員選に向けた戸別訪問活動に忙しい。支持するのは長年、州議会で多数派を占める共和党。しかし今回は「民主党に負けるかもしれない」と危機感を強めている。

 苦戦の一因が与党共和党を率いるトランプ氏にあるのは明らかだ。「大統領には許せない点がある」。意見が異なる相手を徹底的にたたくようなツイッター投稿や、来年の先進7カ国首脳会議(G7サミット)を自身の一族が所有するリゾート施設で開催しようとして「利益誘導」と批判を浴びるなど、言動に「品位や慎重さが足りない」。

 とはいえトランプ氏支持は揺るがない。「公約通り国民の財布は潤い、学生にとって大事な雇用も改善した」と評価するからだ。

 バースさんのような新たな支持者をトランプ氏がどれだけ獲得できるかは不透明だ。27日、ワシントンであった大リーグのワールドシリーズを観戦したトランプ氏に対し、観客席から「監獄に入れろ」と怒号が広がった。不人気ぶりが表れた格好だが、それでもトランプ氏には強みがある。前回大統領選以来の熱狂的な「岩盤支持層」の存在だ。

 西部ニューメキシコ州のタクシー運転手ジョセフさんもその一人だ。ジョセフさんもトランプ氏のツイートは嫌いで「完璧な男だとは思わない」。それでも支持するのは、妊娠中絶など国論が二分する問題で自分の主張をかたくなに貫く姿勢に共感するからだ。

 「大統領は既成政治のエリートと闘い続けている」ことにも信頼を寄せる。北朝鮮問題を例に挙げ、軍事行動を辞さない側近が強硬策を主張する中、トランプ氏が対話路線に転じて核実験をやめさせたとし「中東を含め米軍を海外展開する従来の政策を見直しているからだ」と称賛した。

 米メディアは連日、ウクライナ疑惑を巡る政権と野党民主党の攻防を報じる。だが支持者には「ワシントンの政治家の“ゲーム”にすぎない。ばからしい」(西部ネバダ州の白人高齢男性)と冷めた見方が多く、トランプ氏へ向けられる疑念の広がりは限定的だ。

 民主党支持者にも「減税は良かった」「中国への厳しい姿勢は正しい」とトランプ政権を一定評価する声がある。「候補の乱立で混乱する民主党にはトランプ氏の票を奪える者はいない」。バースさんもジョセフさんもそう確信している。 (ワシントン田中伸幸)

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