大牟田の漫画家や映画語る 「いのちスケッチ」瀬木監督ら

西日本新聞 筑後版 吉田 賢治

 大牟田市の三池カルタ・歴史資料館で10月20日、トークイベント「大牟田が生んだ漫画家と大牟田から生まれた映画」が開かれた。市が舞台の映画「いのちスケッチ」(8日県内先行公開)では、大牟田出身の漫画家、故三隅健さんが主人公のモチーフになっている。映画の瀬木直貴監督、大牟田大使で詩人の道山れいんさん、三隅さんを担当した漫画編集者の神村正樹さんの3人が、三隅さんの作品や背景、大牟田の漫画文化を語り合った。

 三隅さんは福岡市のデザイン専門学校を卒業し、一時は上京して漫画家を志した。帰郷後も作品を描き続け、2008年7月には月刊漫画雑誌の新人賞を受賞。しかしその5カ月後、34歳の若さで亡くなった。

 大牟田出身の道山さんは、50年以上発行されている児童詩文集「せきたん」で、子どもたちの文化的素養が育まれてきたことを、ユーモアを交えて紹介。瀬木監督は、炭鉱の発展が大牟田の文化の厚みを生み、萩尾望都さんや鴨川つばめさんといった20人超の漫画家を輩出したと解説した。

 3人は、三隅さんや作品との出合いの逸話も披露。道山さんは、三隅さんの作品には大牟田をモチーフにしたものが多いと紹介し「弱きものへの愛情のある世界が描かれている。現代に足りないものを求めていたのではないか」と考察した。瀬木監督も「命と向き合うには痛みや葛藤も伴う。そんな人間の優しさの積み重ねが三隅さんの作品にはあり、映画でも描きたかった」と思いを披露した。

 神村さんは「いのちスケッチと三隅さんの作品はテーマも内容もつながっている。ぜひ両方を鑑賞してほしい」と呼び掛けた。 (吉田賢治)

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