転落の車から高齢夫婦救出 少年3人に紅綬褒章 川に飛び込む「とにかく必死」

西日本新聞 北九州版 浜口 妙華

 秋の褒章が2日付で発表され、上毛町の山国川に転落した車から高齢の夫婦を救助した京築地区の19歳の男性3人が、「自己の危難を顧みず人命の救助に尽力した人」が対象となる紅綬褒章を受章した。その3人である同町の会社員出口絢太(けんた)さん、同町の専門学校生吉元陸人さん、吉富町の会社員松本隼弥(はやみ)さんに喜びの声を聞いた。

 出口さんたち3人はかつて同じ中学校に通っていた友人同士。高校3年になったばかりの昨年4月4日午後1時半ごろ、他の友人も加えて上毛町の山国川沿いの公園で花見をしていた時だった。

 「車が川に落ちている」。同じように花見をしていた主婦たちが大声を上げた。出口さんたちが土手まで走って川を見ると、屋根の部分がわずかに見える軽乗用車と、そばにうつぶせに浮いている女性を見つけた。「体が勝手に動いた」出口さんは、友人と水深2~4メートルの川にすぐさま飛び込み、女性を岸まで引き上げた。

 女性は意識がなかったため、女性の背中をたたくなどして水を吐かせた。「看護師はいませんか」。大声で叫ぶと、ちょうど准看護師の資格を持つ主婦がおり、心臓マッサージをしてくれたという。

 女性の引き上げを手伝った吉元さんは、主婦たちの「もう一人いる」との声に、すぐに川に飛び込んだ。水深約2メートルまで潜り、川岸から約15メートルの付近で沈んでいる男性を発見。友人と一緒に男性を岸まで上げた。

 さらに、他に人がいないかを確認するため、吉元さんと松本さんは、既に水没していた車の近くまで泳いだが、車の中の確認は難しく、いったん引き返して通報で駆け付けた消防車や救急車の誘導をした。

 夫婦は一時意識不明だったが、その後、回復。3人は当時を振り返り、「誰かが指示したわけでもない」「とにかく助けなければと必死だった」「もし自分がおぼれたらなんて考えてなかった」と口々に言う。

 紅綬褒章を今回受章したのは、全国でも6人だけ。出口さんは「命の大切さをより実感した」といい、松本さんも「受章を誇りに、いろんなことにチャレンジしていきたい」ときっぱり。救助の際の消防士の働きぶりに感銘を受けた吉元さんは「将来、多くの人を助ける消防士を目指している」と話している。 (浜口妙華)

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