「筑豊の宝物」小竹のSL補修 直方市の汽車倶楽部 貝島炭砿で使用の「アルコ23号」

西日本新聞 筑豊版 安部 裕視

 小竹町に静態保存されている蒸気機関車(SL)「アルコ23号」が化粧直しを施された。かつて旧宮田町(現宮若市)一帯で操業した「貝島炭砿」で使用され、今に残る貴重な車両。直方市のNPO法人「汽車倶楽部」(江口一紀理事長)が補修を手掛けた。

 アルコ23号は、米国のアメリカン・ロコモティブ(アルコ)社が1920(大正9)年に製造し、貝島炭砿が輸入。小竹町の勝野駅と筑前宮田駅を結んだ旧国鉄宮田線に接続する貝島炭砿専用線を疾駆した。

 石炭や資材も運んだが、主な任務は飯塚市内の採砂場から各坑へ坑道を埋め戻すための砂の輸送。閉山とともに76年に引退した。砂を積んだ貨車「ロト39」を連結した姿で小竹町民グラウンドの一角にたたずむ。

 汽車倶楽部によると、国内の同社製SLは宮若市の石炭記念館に保存される「アルコ22号」と23号の2台が現存するだけ。石炭を運んだ鉄道や車両を歴史遺産と位置付けて啓発活動を続ける江口さんは「筑豊の宝物をいつまでも残したい。アルコ23号が何のために動いていたのかに関心を持ってほしい」と呼び掛ける。

 車両の劣化が進み、保存場所が現在地に移転した98年以降、初の本格改修という。塗装やさび止めを削って下地からやり直し、「仕上げにこだわった」と江口さん。作業はほぼ完了し、黒光りする車体に1日、「23」のナンバープレートや貝島炭砿のマークなどを取り付けた。町民まつり開催中の10日にお披露目される。 (安部裕視)

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