カード決済「中高年増」 消費増税1カ月 「ポイント魅力」「面倒な制度」

西日本新聞 社会面 仲山 美葵 岩佐 遼介 華山 哲幸 長田 健吾

 消費税率が10%に上がって1カ月がたつ。初導入された飲食料品などの税率を8%に据え置く軽減税率や、キャッシュレス決済のポイント還元に対し、買い物客はどう対応しているのか。九州の消費現場で探った。

 「食品もポイント還元の対象となって、むしろ今はお得感を感じている」。増税後、キャッシュレス決済用のカードを作成した長崎市の主婦(35)は満足げだ。ただ還元は来年6月までの期間限定。「終わった後には負担増を感じるはず。それをどう節約するか…」と不安ものぞかせる。

 同市内の独居女性(66)は10月から、トイレットペーパーなどがより安いスーパーまでバスで行く。「何とか増税分を浮かそうとしても結局、バス代が高くつく。近所で買い物した方がまし」と諦め顔。

 一方、市内のドラッグストアを訪れた自営業の男性(66)は増税の実感はあまりない。食料品も増税対象の日用品もカード決済が大半といい「値段がどれだけ変わったか分からない」。

 「キャッシュレスは若い人が多かったが、増税後は50代ぐらいの利用も多くなった。ポイント還元が魅力では」。熊本市の市街地で焼き鳥店を営む男性店主(44)は、支払い方法の変化を感じる。還元制度未導入の同市西区の総菜店店主(74)は「増税後、いろんな会社から導入を勧められる。周りでも対応店が増えたのでうちも検討したい」と心境の変化を見せた。

 食品は店内で飲食する場合は外食扱いで、10%の税率が適用される。太宰府天満宮(福岡県太宰府市)の参道に並ぶ梅ケ枝餅店のうち、酒殿屋は持ち帰りは税込み130円、店内飲食は132円で販売している。森寿美枝統括マネージャーは「当初は違う価格での販売に違和感もあったが、不都合も苦情もなく安心している」。増税後も店内客へ茶のサービスを続ける。

 持ち帰り、店内飲食とも税込み130円に統一したのは甘木屋。手間の削減が狙いだ。ただ店側は最終的には区別して会計処理する必要があり、経理担当の高田由美子さん(48)は「レジ締めの手間は倍になった。店内用でも、食べる時間がない、食べきれない、との理由で持ち帰りに変更するケースもあり、煩雑になっている」と渋い顔だ。

 回転ずし店で飲食した北九州市八幡西区の主婦(34)も一部を持ち帰ろうとしたが、精算する際に税率が二つあるため持ち帰りを断られたという。「面倒くさい制度」とあきれる。

 家電量販店のベスト電器(福岡市)は増税前の駆け込み需要で9月の直営店の売上高が前年比6割増となり、増税後は反動減が続いている。10月中旬以降はパソコンやテレビに回復基調が見られるが、冷蔵庫や洗濯機などは反動減の影響が大きいという。それでも担当者は「前回は半年以上続いたが、今回は駆け込み需要がそれほどなく、長引かないのではないか」との見方を示していた。 (仲山美葵、華山哲幸、長田健吾、岩佐遼介)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ