記者と母の「キャッシュレス生活」その後 還元対象店少なく、無駄遣いを不安視

西日本新聞 社会面 本田 彩子

 消費税増税と同時に始まったキャッシュレス決済のポイント還元制度も1カ月が経過。経済産業省の試算では、開始3週間のポイント還元金額は1日当たり平均約10億円超で、想定を上回るペースという。増税前の9月中旬、福岡市で働く記者(35)は、“現金主義”だった福岡県大川市の母(64)と2人、「1週間キャッシュレス生活」を試みた。その後の暮らしは-。

 私は「キャッシュレス決済が基本」の生活に。スマートフォン決済の「ペイペイ」と交通系電子マネー「ニモカ」に常に現金をチャージ(入金)して必ず使い、現金自動預払機(ATM)の手数料と手間が減った。

 国の制度による2~5%のポイント還元が受けられる店は予想以上に少ない。中小店舗だと思ってもレジには「ポイント還元対象外です」の張り紙。実際、この1カ月で還元を受けられた店はコンビニ(2%)だけだった。

 母も、毎日通う大川市の食品スーパーでペイペイを使い続ける。同店は国のポイント還元の対象外だと後に分かったが、ペイペイのポイントと店のポイントが二重にもらえるからだ。

 当初はスムーズに使いこなしていた母だったが、安全のためにとスマホに指紋認証のロックをかけたことでトラブル頻発。たくさんの人が並ぶレジでロックが解除できず支払いにてこずったり、自分で手続きする金額入力を誤送信したり。「若い人と違って、一度、操作につまずいたらおしまいよ」と母。「現金も持っておかなくては」という意識は強まったらしい。

 キャッシュレス決済の「使いすぎ」も不安だという。母は、1カ月で使う現金を銀行でまとめて引き出し「現金用」と「ペイペイ用」に分割。ペイペイを使い、スマホにチャージするたびに、ペイペイ用の現金を銀行口座に戻す。手元の現金がなくなれば、ペイペイ使用もストップ。手持ちの現金で収支を明確にしたいようだ。

 不正な引き落としも心配だから、通帳記帳で小まめに確認。そこまでするなら現金生活に戻した方が楽なのでは、と思いきや、「こないだ阿蘇のソフトクリーム屋さんでペイペイが使えて、しかもキャンペーンもあって300円が270円になって感激した」と母。わずかであっても、ポイント還元は魅力的なのだ。 (本田彩子)

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