あすは文化の日…

西日本新聞 オピニオン面

 あすは文化の日。1946年のこの日、世界で初めて戦争放棄を宣言した新憲法が公布された。これを記念し、同日は「自由と平和を愛し、文化をすすめる日」として「文化の日」に定められた

▼文化を尊ぶ日を前に、悲痛な知らせが。那覇市の首里城で火災が起き、主要施設が焼失した。首里城跡を含む「琉球王国のグスクおよび関連遺産群」は2000年に世界文化遺産に登録されている

▼首里城は15世紀から450年間続いた琉球王国の中心として栄えた。戦前、国宝に指定されたが、太平洋戦争で全焼。1990年代になってようやく復元された。それは沖縄の人々にとって、伝統や文化を伝える施設の再建にとどまらない。戦争で焦土と化した故郷の復興、奪われた自由や平和を求め続けた沖縄の魂を象徴するものだった

▼焼失の喪失感はどれほどか。沖縄出身の知人から届いたメールには「朝から号泣した」「心臓が8割くらい縮んだようなつらさ」「現場を見たら卒倒するかも」と同郷の仲間の思いがつづられていた

▼地震で崩れた熊本城やパリ・ノートルダム大聖堂の火災とも重なる。貴重な文化遺産、観光資源だけではなく、地元を離れた人にとっても、心の支えであり続けるようだ

▼「首里城は焼失と再建を繰り返してきた。きっと子どもたちがまた首里城を感じられる日が来るはず」と先のメールに。その願いが一日も早く実現してほしい。

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