体からあふれる沖縄愛 記者が見た島袋洋奨さん

西日本新聞 阪口 彩子

 時折のぞく沖縄なまり、沖縄の話題になると思わず見せる自然な笑顔-。2時間を超えるインタビューで、島袋洋奨さんは「沖縄は僕にとって特別な場所」と何度も口にした。

 興南高の春夏連覇の偉業を見聞きし、野球を始め、甲子園を目指す少年たちは多い。島袋さんも毎年、甲子園に出場する沖縄勢にエールを送り続けている。それだけに、将来、指導者として故郷に戻りたい気持ちは大きい。

 「やっぱり、ゆくゆくは沖縄で恩返しをしたい。後輩や下の世代に、プロで経験したこと、いい時だけじゃなくて苦しい時のこと、技術面にしろメンタル面にしろ、いろいろ伝えることができる」と語る。

 10月1日にホークス退団が決まり、すぐに恩師の我喜屋優さんを訪ね、報告した。第二の人生をどう生きるか。我喜屋さんは取材に「いろんな選択肢の中に興南の門もあるよと。誰も成し遂げていない春夏連覇の実績があるんだし、興南の門は開けておくよ、と伝えた」と明かした。

 島袋さんは「いま沖縄に帰って自分に何があるのかって言ったら、野球しかない」。一方で「仕事をしない期間を短くしたい。(沖縄に)残るか出るか。そこはさっと決めたい」と、揺れる心をのぞかせた。

 インタビュー終了後、両親の出身地である今帰仁村の話になった。「これ」と言って、ポケットから取り出したのはスマートフォン。映っていたのは、祖母が大正琴を弾く動画だった。この日の前日に母親から送られてきたという。「おばあちゃん95歳です。元気ですよ」。笑みがはじけた。家族を思う愛、母校を思う愛。彼の体全体から、沖縄への愛があふれていた。(阪口彩子)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ