「八幡製鉄所」の名前消え… 住民、OB惜しむ声 地域の活気減退心配も

西日本新聞 北九州版 竹次 稔 金田 達依

 日本製鉄の八幡製鉄所が「九州製鉄所八幡地区」に名称変更すると発表されてから一夜明けた2日、地元北九州市では、約120年間親しまれた「母なる製鉄所」の名が失われることを惜しむ声や、まちの活気減退を心配する声が聞かれた。

 この日は1901年に官営八幡製鉄所の操業開始にちなむ「まつり起業祭八幡」の初日。公開された熱延工場(戸畑区)は多くの親子連れたちでにぎわった。中間市の会社員、荒川智史さん(38)は「東京タワーが関東タワーになるくらいの驚きだった」と話した。

 日本製鉄は官営八幡製鉄所が起源。社名は数度変遷したが「八幡製鉄所」の名は残り、2015年には官営八幡製鉄所の関連施設が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録された。

 製鉄所に40年間勤め、現在は中間市の世界文化遺産「遠賀川水源地ポンプ室」市民ガイドの下山要さん(78)は「寂しいが時代の変化かもしれない。八幡の地にはずっと存続してほしい」と願った。

 製鉄所の“お膝元”として栄えた八幡東区中心部では、活気が失われるのを懸念する声も。同区中央で「スナック翼」を約30年営む田口秋子さん(73)は、名称変更後の人員削減を心配する。「これ以上製鉄マンが減れば、地域経済が悪くなる」と気をもむ。

 前向きに捉える見方もある。北九州商工会議所幹部は「八幡地区が九州製鉄所の中心となると聞いており、鉄道レールなど高付加価値の製品拠点としてグローバルに成長してほしい」と期待。北九州市の北橋健治市長は取材に「大変寂しいのは皆さんと同じだが、1世紀あまりにわたる偉大な功績は揺るがない。九州製鉄所の中心地区として、一層発展できるよう行政としてもバックアップしていきたい」と語った。

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 「まつり起業祭八幡」は2日、八幡東区の大谷球場周辺を主会場に始まった。飲食店など約300店が出店し、多くの市民らで朝からにぎわった。4日まで。

 3、4日はバンド演奏や仮面ライダーゼロワンなどのショーがあり、八幡東ねぶたも披露される。例年最終日にある花火は3日に打ち上げる。(金田達依、竹次稔)

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