福博の文化振興に貢献 博多町人文化勲章に2団体

西日本新聞 ふくおか都市圏版 手嶋 秀剛

 福博の庶民に愛される文化の振興や継承に貢献した、個人や団体を顕彰する博多町人文化連盟(西島雅幸理事長)の「博多町人文化勲章」。45回目を数える今年の受章者は、市民グループ「博多部まちづくり協議会」と老舗菓子メーカー「東雲堂」の2団体に決まった。8日に福岡市・天神のホテルで開かれる授章式「もらって頂く会」を前に、喜びの声を聞いた。

■博多部まちづくり協議会・灯明の地上絵、風物詩に

 秋色深まる博多の夜。神社、校庭、公園などに灯明の地上絵が浮かぶ「博多灯明ウォッチング」を主催し、今年で25回目を迎えた。福岡市・博多部4地区(旧4小学校区)のまちづくり協議会の連合体で、設立は1994年。それを機に始めた「灯明ウォッチング」は秋の風物詩になった。

 呼び物の地上絵は98年から登場した。住民手作りのイベントにアーティストが加わったからだ。その一人、尾方孝弘さん(50)は「地上絵を見ようと、多くの人が集まるイベントになった」。当時から20年余、地上絵のデザインを手掛ける尾方さんは「博多灯明師」と名乗る。「4地区が協力して続けてきたことが認められた」と受章を喜ぶ。

 博多を照らす“まちづくりの灯明”は、博多リバレインやキャナルシティ博多などにも広がり、きらびやかな明かりが商業施設を彩るようになった。博多部だけでなく、有田校区(同市早良区)の秋祭り、美野島(同市博多区)の納涼祭、海の中道海浜公園(同市東区)のクリスマスなどにも灯明イベントが広がった。

 「ウォッチング」に使う灯明は約3万5千個。すべて、住民たちが紙袋にろうそくを入れてこしらえる。地上絵の下絵に沿って一つ一つ並べる準備も住民たちが行う。「大人も子どもも一緒に灯明で地上絵をつくり、夜にそれを眺める。その達成感が、まちづくりの活力になる」と尾方さん。25年前、博多の有志たちが手作りでともした明かりが今、輝かしい光を放った。

■東雲堂・二○加煎餅一筋1世紀

 「皆さんに、かわいがってもらったおかげです」。「二○加煎餅(にわかせんぺい)」の製造元・東雲堂の高木美恵子会長(71)の胸に浮かぶのは「感謝」だ。たれ目と八の字まゆ毛が特徴の「博多にわか面」の“せんぺい”は、1906年に誕生。以来1世紀余り、博多を代表する銘菓として親しまれてきた。

 「博多らしい土産を作ってみては」。当時の博多駅長の助言に、創業者高木喜七が思い付いたのが「にわか面」。せんぺいを作ったら評判になった。主な原料は小麦粉、砂糖、鶏卵で、創業当初から変わらぬ味を受け継ぐ。「粉は昔から筑後産。筑後平野の恵みを頂いてます」と高木会長。

 テレビのCMも変わらない。「こら善治(ぜんじ)…、断りば言うてきんしゃい」。74年から40年以上流れるCMのわんぱく小僧の役名は、当時社長だった故高木善治(よしはる)さんにちなむ。

 夫の善治さんの後を継いで18年間、経営の陣頭に立った美恵子さん。2017年に次男の雄三さん(44)に社長を譲ったが、会長になった今でも従業員たちと仕事場で汗を流す。

 6代目の雄三社長はファン層を広げようと、アニメやキャラクターなどとのコラボ商品にも力を入れる。にわか面の形をした、ドラえもんやキティちゃんのせんぺいが人気を集め、老舗の味を伝える新たな道が開けようとしている。

 「せんぺいしか作りきりません。これからも一筋に作り続けるだけです」。受章の知らせに美恵子会長は控えめな笑顔で語った。 (手嶋秀剛)

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