トランプ氏再選なるか 米大統領選まで1年 民主内対立、強力対抗馬なく

西日本新聞 総合面 田中 伸幸

 【ワシントン田中伸幸】米大統領選まで3日であと1年となった。最大の焦点はトランプ大統領の再選の是非だ。トランプ氏は就任3年目の今も4割前後の支持率を堅持。不支持が上回るとはいえ、政権奪還を目指す野党民主党に強力な対抗馬が見当たらないこともあり、激戦は必至だ。前回大統領選でトランプ氏勝利を決定づけた中西部など激戦州の白人の中間所得層や無党派層がウクライナ疑惑を巡る弾劾調査や景気の動向をどう判断し、態度を決めるかが鍵を握る。

■共和党

 与党共和党でも民主党と同様に来年2月から、党の大統領候補指名を争う予備選が各州で行われる。トランプ氏のほか元州知事ら3人が名乗りを上げ、トランプ氏の再選阻止を訴える。

 米大統領選は「現職有利」と言われる。トランプ氏は就任以来、数々の疑惑や言動で物議を醸し、世論の批判を浴びてきた。それでも共和党支持者の8割以上がトランプ氏を支持。党内では敵無しの状態だ。

 議会下院ではウクライナ疑惑を巡るトランプ氏の弾劾調査が進む。だが前回選挙でトランプ氏が事前の予想を覆して勝利したラストベルト(さびた工業地帯)と呼ばれる中西部ミシガン州やウィスコンシン州などでは弾劾反対が多数を占める調査結果が相次ぐ。

 これらの州では現在、中国との貿易戦争のあおりを受けて白人の農家や労働者層の不満が高まっているにもかかわらず、トランプ氏への支持はなお底堅い。

 議会で弾劾が否決されれば、これら激戦州を制する上で強力な追い風となる。トランプ氏は与党議員の造反を防ぐため党内の引き締めを強める一方、中低所得者層への追加減税などを掲げながら、堅調な経済を背景に「民主党政権になれば株価は大暴落する」と恐怖心をあおって支持者のつなぎ留めを図るとみられる。

■民主党

 民主党の候補指名争いは依然、15人以上が論戦を繰り広げる。党主流の穏健・中道派と急進的な政策を掲げる左派との路線対立は激しさを増し、トランプ氏の再選阻止へ向けて挙党態勢をどう築くか、方向性を見いだせない状況が続く。

 各種調査の平均支持率では、穏健派のバイデン前副大統領に最左派のウォーレン上院議員が迫り、同じ最左派のサンダース上院議員が続く。3人以外は2桁にも届いていない。

 だがトップを争う3人も、皆70代と高齢な上、ウクライナ疑惑で家族の醜聞が取り沙汰されるバイデン氏は選挙資金集めで苦戦。最左派の2人は政策に疑問符が付きまとい、さらにサンダース氏は健康が不安視されるなど決定打を欠く。

 こうした中、党予備選の初戦となる党員集会が開かれる中西部アイオワ州では、同じ中西部インディアナ州の市長で、同性愛者であることを公言している30代のブティジェッジ氏がウォーレン氏に次ぐ支持を集めてバイデン氏を抑え、注目されている。

 民主党は予備選が集中する3月にも大統領候補が決まる可能性がある。だが決着が長引き、路線対立がさらに深刻化すれば、前回トランプ氏に支持が流れた中間所得層や無党派層への対策が遅れ、本番の大統領選に不利との見方もある。

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