【動画あり】西日本文化賞、4氏に贈呈

西日本新聞 一面 坂本 沙智 小川 祥平 藤原 賢吾

 地域文化の発展に尽力した九州ゆかりの個人・団体を西日本新聞社が顕彰する第78回西日本文化賞の贈呈式が3日、福岡市中央区の天神スカイホールであった。今回初めて一般の参加者も列席し、関係者を含め約120人が受賞を祝った。

 受賞者は、学術文化部門が九州大名誉教授、藤木幸夫さん(71)=福岡県春日市、社会文化部門が志学館大教授で鹿児島県立図書館長、原口泉さん(72)=鹿児島市。若手・中堅を対象に今回新設された奨励賞の学術文化部門に九州大応用力学研究所教授、竹村俊彦さん(45)=福岡市、社会文化部門に画家、田中千智さん(39)=同。

 藤木さんは細胞小器官「ペルオキシソーム」の基礎研究に取り組み、その欠損症の原因を解明した。原口さんはNHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」などの時代考証や著作を通じ薩摩の歴史の魅力を国内外に発信した。奨励賞の竹村さんはPM2・5など大気中の微粒子の分布状況を予測するソフトを開発。田中さんは、黒一色の背景に人物を幻想的に描く作風で高い評価を受けている。西日本新聞社の柴田建哉社長は「柔軟性と執着心の絶妙なバランスで努力をし、歴史に名前が刻まれる功績を挙げられた」とたたえた。

 贈呈式後、細胞生物学者で歌人の永田和宏さんが「科学する心」と題して記念講演した。 (小川祥平)

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若手、ベテラン喜び合う 受賞4氏 決意新た

 3日に福岡市で開かれた第78回西日本文化賞贈呈式で、受賞4氏は家族や関係者と喜びを分かち合い、新たな決意を口にした。若手・中堅を対象にした奨励賞が新設されたためか、世代を意識したメッセージが目立った。

 ひときわ来場者の目を集めたのは、奨励賞受賞者の田中千智さん(39)。3週間前に出産した次男を抱いて会場入りし、「子育てしながら、諦めずに描いていきたい」と力を込めて抱負を語った。

 同じく奨励賞の竹村俊彦さん(45)は気候変動についての研究を紹介しながら「二酸化炭素は加速度的に増えていて、地球は熱を蓄え、海がそのエネルギーを吸収し、気候変動が起きている」と警鐘を鳴らした。

 若い世代の活躍ぶりに刺激されたのか、西日本文化賞受賞者の原口泉さん(72)は「文系は年を取れば取るほどに光り輝く学問だと思う」と発言。「受賞をばねに、地方文化の普遍的な魅力を世界に発信し続けていきたい」と意気込んだ。

 同じく同賞の藤木幸夫さん(71)は、九州大での恩師、故船津勝名誉教授もこの賞の受賞者であることに触れて「報告し喜んでもらいたい」と感慨を述べ、「いろいろな方に出会えたのが大きかった」と語った。

 記念講演を行った歌人で細胞生物学者の永田和宏さんも、若い世代に向けて「失敗するほど成長するチャンスがある。安全な方より、おもしろい方を選択してほしい」と語り掛けた。 (藤原賢吾、坂本沙智)

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