ポスト安倍、名乗り続々 岸田氏、河野氏、下村氏ら意欲

西日本新聞 総合面 河合 仁志

 安倍晋三首相の長期にわたる自民党総裁任期が残り2年を切り、「ポスト安倍」をにらんだ動きが出始めた。臨時国会が開会して以降、有力候補とされる岸田文雄政調会長、河野太郎防衛相が相次いで次の総裁選に名乗りを上げ、首相の出身派閥の下村博文選対委員長も意欲を見せた。10月下旬には2閣僚が不祥事で引責辞任し、政権運営の不安定さも指摘され、後継レースに拍車が掛かる可能性がある。

 「国際社会に息苦しい雰囲気がある中で、個性や多様性が尊重される社会、寛容さがあり『ほっとできる』日本を目指していきたい」。1日のBS番組に出演した岸田氏はこう話し、「安倍総理の次の時代を担う一人に、ぜひなりたい」と力を込めた。

 初当選同期で親しい首相からの「禅譲」をうかがい、総裁選出馬を見送るなど自重を続けてきた岸田氏。10月上旬にも同様の発言をしており、ここに来て情報発信のアクセルをぐっと踏み込んでいる。10月28日には、首相が執念を見せる憲法改正をテーマにした地方政調会も開き、後継資格をアピールした。

 総裁任期は3期9年に改定され、首相は2021年9月に満了となる。改定を主導した二階俊博幹事長は「首相の4選もあり得る」との立場だが、党と政権の内部の空気は違う。

 10月23日、首相と気脈を通じる側近の下村氏は講演し、「総理自身は(総裁4選は)考えていないと思う」との感触を紹介。持論である教育の意識改革を訴え、ポスト安倍についても「チャンスがあれば。やりたいことを一番できるのは総理だから」と述べた。これまで下村氏の名前が挙がったことはなく、首相を送り出している最大派閥として他派閥をけん制する意味もあったとみられる。

      ■ 

 外相に続き、重要閣僚の防衛相を任された河野氏もこの戦列に加わる構えだ。総裁選の出馬経験もあり、10月中旬のテレビ番組で「(名乗りを)上げたいと思っている」と明言した。麻生太郎副総理兼財務相の派閥に属し、菅義偉官房長官からも「将来の首相候補」と評され、後押しを期待できる位置にいる。ただ、発言が物議を醸すことが多く、最近も「私はよく地元で雨男と言われた。防衛相になってから既に台風は三つ」との軽口で陳謝した。

 12年、18年の総裁選で善戦しながら首相に敗れた石破茂元幹事長は、「次」へ背水の陣を敷きつつある。党内で孤立しながら徹底して首相批判を繰り返し、率いる派閥も「主戦論」が支配的。石破氏周辺は「早めに出馬表明し、『今度勝てなければ政界を引退する』ぐらいの覚悟と気迫を見せてもらいたい」と息巻く。

 総裁選への意欲を強く否定しているものの、30人規模のグループ議員を擁し、「令和おじさん」で知名度も上げた菅氏を推す声も根強い。他に野田聖子元総務相も出馬を模索している。 (河合仁志)

PR

政治 アクセスランキング

PR

注目のテーマ