習氏、香港管理へ本腰 林鄭氏と会談 長官任命制度変更も

西日本新聞 総合面 川原田 健雄

 【北京・川原田健雄】中国の習近平国家主席は4日夜、上海で香港の林鄭月娥行政長官と会談し、長期化する香港の反政府デモへの厳しい対応を求めた。中国共産党は10月末の重要会議で香港の管理強化を打ち出しており、事態収拾に向けて本腰を入れる構えだ。

 「中央政府はあなたを高く信頼し、仕事ぶりを十分評価している」。中国メディアによると、習氏は林鄭氏をねぎらった上で「暴力と混乱の制止、秩序の回復が香港の最重要任務だ。暴力を止め、懲罰を与えるのは広範な香港の福祉を守ることであり、揺るぎなく取り組んでほしい」と一層の対応を求めた。

 会談は上海で5日開幕する中国国際輸入博覧会に両氏が出席するのに合わせて開催。デモが本格化した6月以降、2人が会談するのは初めてだ。香港紙によると、会談は4日夜に開かれた博覧会出席者の夕食会後、習氏の意向を受けて急きょ設定された。林鄭氏を巡っては10月下旬に「中国政府が更迭を検討している」と英紙が報じたが、習氏は林鄭氏を支える姿勢を改めて示した形だ。

 ただ、事態を収拾できない香港政府に習指導部がいら立ちを募らせているのは間違いなく、今後は関与を強める構え。6日には香港政策を担当する韓正副首相が林鄭氏と北京で会談し、対応を協議する予定だ。

 10月末の党中央委員会第4回総会(4中総会)では「行政長官や主要閣僚の任命制度の改善」を決定した。香港の行政長官は間接選挙で選ばれるが、香港基本法(憲法に相当)には「選挙あるいは協議」によって選出可能と規定されており、今後、選挙を経ずに協議だけで中国側に都合の良い人物を選出できる制度へ変更される可能性もある。

 4中総会の決定には「国家の安全を守る法制度と執行メカニズムの確立」も盛り込まれた。香港基本法23条は、国家の分裂や政権転覆につながる行為を禁じる「国家安全条例」を制定するよう定めているが、言論の自由が侵されるなどとして2003年に激しい反対運動が起き、先送りされてきた。総会の決定は条例の早期制定を促すものと香港市民に受け止められており、実際に制定に動きだせばさらなる反発は避けられない。親中派からも「中央政府は23条に頼るべきではない」との声が出ている。

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