自転車保険、福岡県が義務化へ 条例改正を検討 高額賠償続発、被害救済狙う

西日本新聞 一面 豊福 幸子

 福岡県は、自転車利用者に事故に備えた保険への加入を義務付ける方向で検討に入った。自転車利用者が歩行者を死傷させて高額賠償を求められるケースもあり、加入を促進して加害者の賠償責任の補償や被害者救済を図るのが狙い。早ければ来年2月の県議会定例会に「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」の改正案提出を目指す。

 義務化の対象は、自転車利用者(未成年の場合は保護者)▽事業活動で自転車を利用する事業者▽自転車貸付事業者-を想定。福岡県によると現在、鹿児島県など11都府県が保険加入を義務化、または義務化予定だが、いずれも罰則規定はなく、福岡県も設けない方針。

 実効性を高めるため、条例改正案には企業や学校が通勤・通学利用者に保険加入の有無を確認することを努力義務として盛り込むほか、自転車貸付事業者に届け出義務を課し、保険加入の有無を確認することを検討。日本の交通ルールの知識に乏しい外国人留学生が増加していることもあり、日本語学校での自転車安全教育や啓発の推進についても規定したい考えだ。

 自転車保険には、月額保険料が数百円、補償額が1億円以上のものなどがある。既に加入している各種保険でカバーできている場合もある。

 県や県警によると、県内の自転車事故は減少傾向の一方、対歩行者・対自転車事故は横ばいで推移。2018年の事故件数4383件のうち、対歩行者・対自転車事故は135件だった。自転車事故全体の4割弱を学生(小中高生や大学生)による事故が占め、今年4月と7月には福岡市内で、自転車で歩行者に大けがをさせて逃げたとして、未成年者が道交法違反(ひき逃げ)容疑などで書類送検される事案が相次いだ。

 au損保が昨年12月~今年2月にインターネットで実施した自転車利用者を対象とした調査(回答者約2万人)によると、自転車保険の加入率は全国平均56・0%。加入を義務付けている都道府県は高い傾向にあり、現行条例で加入が努力義務にとどまる福岡県は50・5%と全国平均を下回った。

 全国的な義務化の背景には、神戸地裁が13年、自転車で歩行中の女性をはねて重傷を負わせた小学生側に9521万円の支払いを命じるなど、相次ぐ高額賠償の判決がある。 (豊福幸子)

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