書家・梧竹の幻の「丼」制作 小城の市民団体が筆跡転写、300個を販売

西日本新聞 佐賀版 梅本 邦明

 「明治の三筆」と称される小城市出身の書家、中林梧竹(ごちく)(1827~1913)が晩年に企画しながら、完成しなかったとみられる幻の丼を、同市の市民団体「天山ものづくり塾」が形にした。白色の磁器に梧竹の筆跡を転写、限定300個を販売している。

 梧竹は先祖の位牌(いはい)を安置する「三日月堂」の落成式の出席者への引き出物として丼を渡そうと計画。1907(明治40)年、県立工業学校有田分校(現有田工業高)の教師だった徳見知敬氏に制作を依頼した。

 注文書にはうどん店の食器を念頭にイメージ図を描き、「ウドンヤの器の様ナル」などと指示していた。だが現存する丼はなく、制作はされなかったと考えられている。

 天山ものづくり塾は梧竹の生誕200年に当たる2027年に向けて顕彰活動を展開中。富永正樹代表(70)が「書以外にもいろんな切り口で魅力を発信したい」と丼の制作を決めた。

 佐賀大芸術地域デザイン学部の田中右紀教授の指導を受け、今年9月に完成。丼の底には注文書に描かれたイメージ図、胴には「三日月堂」の筆跡を転写して呉須と呼ばれる絵の具で青色に仕上げた。

 富永代表は「明治期の丼を令和期に形にした。今後も梧竹に関わる物をいろんな形にして発信していきたい」と話す。丼は直径17センチ、高さ8センチ。価格は1万円(送料込み)。(梅本邦明)

佐賀県の天気予報

PR

佐賀 アクセスランキング

PR

注目のテーマ