母(74)が父(76)に車いすを押され、鹿児島から上京してきた

西日本新聞 社会面 湯之前 八州

 母(74)が父(76)に車いすを押され、鹿児島から上京してきた。目的は親類の見舞いと、靖国神社の参拝だ。

 私の母方の祖父は1944年に出征、45年8月に戦死した。戦地に赴いたのは母が祖母のおなかにいる時。だから母は祖父、つまり自分の父親に会ったことがない。それでも上京するたび、靖国神社を訪れる。祖父と話している感覚になり、心が安らぐのだという。今回、母は父に支えられて車いすを降り、手を合わせた。私は仕事で付き添えなかったが、後で感想を聞くと「来て良かった。戦争はよくない」と何度も言った。

 先日、閣僚が靖国神社を参拝し、中国や韓国が反発した。繰り返される周辺国の批判に複雑な思いがする。戦犯合祀(ごうし)、政教分離…。難題なのは分かる。でも、参拝者の大部分は戦死者を悼み、平和を願う人ばかりだ。気持ちよく手を合わせられるよう、政府は環境整備を急いでほしい。 (湯之前八州)

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