薄明かりで蹴り、パンチ爽快 暗闇キックボクシング人気 人目気にせず集中

西日本新聞 ふくおか都市圏版 郷 達也

 福岡市の天神・博多エリアで「暗闇フィットネス」が流行している。サイクリングやボクシングなど、わずかな光の下で周りの目を気にせず運動できるのが特徴で、若い女性を中心に人気を呼んでいるという。そのうちの一つ「暗闇キックボクシング」のジムを訪ねた。

 JR博多駅に近いキックボクシングジム「アンカレッジ」。平日の夜7時すぎ、仕事帰りなどの若い女性ら10人ほどが続々とジムにやって来た。「暗闇キックボクシング」の参加者だ。

 室内の照明が落とされると、天井の小さなミラーボールから赤や緑の光が入り、クラブ音楽が大音量で流れ出した。リングがあるのを除けば、雰囲気はクラブそのものだ。

 トレーニング開始。「ジャブ、キック」。インストラクターの掛け声に合わせて参加者が体を動かす。

 2人一組になると、リング上で「左右ひざ蹴り連打」や「ミット打ち」、ステップ台を使って上り下りする「もも上げ」や横跳びする「サイドステップ」などのメニューを次々にこなす。1分間動いて20秒間休憩するスタイルで、見るからにハードワークだ。だが女性たちは髪を振り乱し、一心不乱にキックやパンチを繰り出す。「シュッシュッ、シュッシュッ」。噴き出す汗も気にせず、自らの体を鍛える姿はどこか美しい。

 2017年、福岡で初めて暗闇キックボクシングを始めたジム代表の山川良太さん(39)は「暗闇なので人目を気にせず集中できるし、大音量の中、クラブで踊るような感覚で健康的に運動できる」と魅力を語る。

 「暗闇」は45分間、ほぼ動きっぱなし。この間の消費カロリーは300キロカロリー程度だが、全身の筋肉と心肺機能が鍛えられ基礎代謝が上がるため、トレーニング後の24時間を考えると1000キロカロリー程度の消費が見込めるという。「ジョギングのように単調ではなく、心肺、体幹、手足の筋肉を網羅してトレーニングすることで、きつさより楽しさが勝る」(山川さん)というわけだ。「会社で嫌なことがあった」「彼氏とけんかした」。こんな声を寄せる利用者のストレス発散にもつながる。

 この日の練習に参加した博多区のフリーランス植木宏美さん(43)は「暗闇での全身運動は、爽快感がある」と笑顔を見せた。以前に体験したヨガが1人で黙々と行ったのに比べ、夏から始めたジムでのハードトレーニングは、仲間と一緒に乗り越えようとする雰囲気があるという。「負けるな、とか励ましながら一緒に楽しめる。無理なく続けられます」

 美容、健康、体力づくりやダイエットなど運動習慣を身に着ける人が増える中、「暗闇」効果でフィットネス人気もさらに高まるのではないか。参加者の充実した表情がそれを物語っていた。 (郷達也)

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