救命事故死の韓国人留学生ドキュメンタリー 日韓交流の遺志継いだ両親 「かけはし」 23日に福岡市で上映

西日本新聞

 東京のJR新大久保駅で2001年1月、ホームから転落した人を助けようとして列車にはねられ亡くなった韓国人留学生、李秀賢(イ・スヒョン)さんの人生と、その後に生まれた日韓市民交流の動きを追ったドキュメンタリー映画「かけはし」が11月23日、福岡市早良区西新の西南学院大博物館で上映される。

 李さんは事故時、都内の日本語学校「赤門会日本語学校」の語学留学生で、「日韓の懸け橋になりたい」と夢を語っていた。「思いやりがある日本人と自分は合う」と言い、ボランティア精神が豊かだったという。李さんの父親、李盛大(イ・ソンデ)さんと母親、辛潤賛(シン・ユンチャン)さんは、事故後に寄せられた弔慰金を「息子の遺志を生かしたい」とアジアからの語学留学生支援のために寄付し、02年にNPO法人「LSHアジア奨学会」が設立された。これまで18カ国・地域の948人が奨学金を受けたという。

 映画は2章構成。第1章は、生前の李さんを紹介。事故後、毎年命日に新大久保駅を訪れる両親が愛惜の祈りをささげる場面や語学留学生の日常生活などを記録。第2章は、日韓国交正常化から50年の2015年、李さんゆかりの地を訪ねるツアーに参加した韓国と日本の学生たちの交流、対話を撮っている。

 盛大さんは今年3月に亡くなった。今年の命日は体調を崩していて来日を見送ったが、「日韓関係が厳しいときこそ、民間交流が活発に行われるように願っている。心のつながりの大切さを多くの人と共有したい」というメッセージを、来日した辛さんに託し関係者に届けた。


 映画統括プロデューサーの中村里美さんは「両親や多くの日本語学校の学生の姿を通して、さまざまな違いを超えて、一人一人が国と国をつなぐ『かけはし』となり得る、かけがえのない存在なのだ、ということを広く伝えたい」と話している。

 福岡での上映会は午後2時から。予約券1200円(当日1500円)。障害のある人と介助者は各千円、大学生500円、高校生以下は無料。予約などは映画「かけはし」をみる会・福岡=070(4075)1162。(吉田昭一郎)

 ※自主上映の問い合わせ、申し込みは、ミューズの里=070(5568)8204

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