国外郭団体の助成金不採択 2年連続「地域との共生不十分」 地熱発電事業で指宿市

西日本新聞 上野 和重

 九州有数の温泉地、鹿児島県指宿市が計画する地熱発電事業で、市が独立行政法人「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」(JOGMEC)に申請した掘削工事の助成金が不採択となったことが7日分かった。助成金の不採択は2年連続。市は今後の事業継続などについて「市長が不在でコメントできない」としている。

 市によると、JOGMECから副市長宛てのメールで不採択が伝えられた。不採択の理由は「利害関係者の理解を得られたことを確認できない」などとされているという。昨年は「地域との共生が図られていない」などが理由だった。申請結果は9月11日に出る予定だったが、JOGMECが慎重に審査したとみられる。

 2015年にスタートした市の地熱発電事業は、市所有の温泉施設「山川ヘルシーランド」で蒸気を取り出す井戸を整備し、九州電力などが建設する発電施設に蒸気を売却、余った熱水を農業や観光に活用する構想だった。

 ただ、市民の間では賛否が分かれていた。地元住民は掘削工事の早期実現を求める陳情を市議会に提出、採択された一方、温泉旅館業者らは「掘削で温泉が枯渇するリスクがある」と反対。市議会では事業の進め方が不透明として調査権限の強い百条委員会設置の動きが2度あった。

 昨年10月の助成金不採択後、市は地域との共生を図ろうと、住民説明会を開催したが、賛成派と反対派の住民が怒鳴り合い、紛糾する場面もあった。事業に反対する市議の一人は「市民の合意を形成できずに強引に進めたことが不採択の原因。助成金ありきの事業で、市は断念するしかないだろう」と話した。(上野和重)

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