8日から千年あかり 輝く15年、竹灯籠3万本に 日田市

西日本新聞 大分・日田玖珠版 中山 雄介

 竹灯籠の優しい光が古い町並みを照らす日田市豆田地区の秋の恒例イベント「千年あかり」が8~10日、開かれる。3千人の市民ボランティアに支えられる催しは今年、節目の15回目。同時開催される「日田天領まつり」(9、10日)と合わせ3日間で10万人以上が訪れ、竹灯籠の数も初回の1万本から、現在は3倍の約3万本になった。関係者は「始めたころは想像もできなかった」と成長を喜んでいる。

 千年あかりは、里山にとって厄介者の竹を観光資源に生かすため、市民の手作りで始まった。主催する実行委員会の財津忠幸委員長(76)は当時を「なんか催しをやっとるねと、通りがかりの人が見る程度だった」と笑う。転機は同市出身の故筑紫哲也氏がニュース番組で中継した第2回。全国放送で、人気に火が付いたという。

 「あの一回だけのつもりだったんですけど」。第2回から参加する日田林工高教諭の江田雅之さん(59)は頭をかく。実行委から中継向けに見栄えのする竹灯籠を頼まれ、屋形船を完成させた。以来、生徒と案を出し合いながら制作を続け、今回も東京五輪にちなんだ作品を展示する。「竹細工は手間がかかり制作は正直苦痛。でも、観客からよかったよと言われるとやめられないんです」と話す。

 豆田町で酒屋を営む木下弘一郎さん(72)も同じ思い。当初から関わり、大量の竹を加工、保管する場所選びに苦心した。市が用意した現在の場所に落ち着くまで、製材所跡などを転々としたという。木下さんは「豆田から始まった催し。豆田のもんが守らんといかん」と力を込める。

 2017年は九州豪雨でメイン会場の花月川河川敷に土砂がたまり、開催が危ぶまれたが、市民が守り続けた灯は若い世代にも受け継がれた。遅くまで残って竹灯籠作りをした日田林工高3年の穴井雄大さん(17)は来春、静岡で就職するため日田を離れる。「物心つく前に見て純粋にきれいだなと思った。目に焼き付けたい」。穴井さんは、自分が作った竹灯籠が誰かの心に残ることを願っている。(中山雄介)

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