大刀洗町でルーツ探し ハワイ移民の孫ボーシュさん 「記念写真帖」見つかり感謝

西日本新聞 筑後版 大矢 和世

 ハワイ移民として海を渡った祖父の故郷でルーツを探そうと日系米国人のパティ・ボーシュさん(76)が大刀洗町を訪れた。来訪は4年ぶり2度目。今回は祖父について記した文献が見つかり「調べてもらってありがたい」と喜んだ。

 文献は「福岡県人布哇(はわい)在留記念写真帖(ちょう)」。1924(大正13)年、ハワイ・ホノルルで移民が自ら出版したとみられる。いろは順で県出身移民の名前や家族を紹介し、一部は家族写真も載っている。同町から多く移民したことから、町立図書館が所蔵していた。同館は10月に通訳を通じてボーシュさんから調査を依頼され、記念写真帖を見つけた。国会図書館憲政資料室にも収蔵されている本だという。

 ボーシュさんの祖父は野瀬政太郎さん。1872(明治5)年に大堰(おおぜき)村冨多(現在の同町冨多)で生まれた。「写真帖」の記載によると1898(明治31)年にリフエ(カウアイ島)に上陸し、妻カツヨさんと結婚。4男2女に恵まれた。長男豊人さんは政太郎さんの弟方に入籍した。

 政太郎さんとカツヨさんは「共に壮健、人物家として地方に重きをなす」と記されていた。ボーシュさんの父親は、四男の守さんという。

 ホノルル近郊に暮らすボーシュさんは4日、夫ルイさん(79)や息子2人とともに図書館を訪れ、記念写真帖を閲覧した。4年前、娘と町を訪れた際は言葉も分からず、手掛かりを得られなかった。「祖父が日本人とは分かっていたけど、日本の文化は知らずに過ごしてきた。4年前に領事館で祖父の記録を取り、初めて出身地を知った。やっと息子たちにルーツを教えられてうれしい」とほほ笑む。

 そして、政太郎さんが通ったとみられる小学校の跡地、大堰神社へと足を運んだ。小石原川を一望する堤防に立ち「美しい」と目を細めたボーシュさん。「親族も探したい。また、ここへ来ます」と希望を込めていた。 (大矢和世)

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