動物園大好きです 映画「いのちスケッチ」主演 佐藤 寛太さん

西日本新聞 根井 輝雄

 福岡県大牟田市の動物園を舞台にした映画「いのちスケッチ」(瀬木直貴監督)が、福岡県内で8日から公開が始まりました(全国公開は15日から)。動物園での仕事に携わるようになった若者の挫折と成長を描く物語。主演は、福岡市出身の佐藤寛太さん(23)です。佐藤さんに映画の見どころや撮影の裏話を聞きました。

 -この映画の見どころは?

 ★佐藤 命と向き合っている映画だと思います。人と人、人と動物。時間の流れの中で、終わっていく命と新しい命に向き合っています。

 -映画は、東京で漫画家を目指していた若者が、夢破れて大牟田に帰るところから始まります。

 ★佐藤 主人公は、人との付き合い方があまり上手ではないな、と考えて演じました。知人や幼なじみには自分をさらけ出せるけど、初めて会った人や職場の人に対してはあまり自分を表現できない。そういう若者として、表情などにも気を付けました。

 そして、動物園のバイトで働き始めます。人とうまく付き合えない若者が、言葉を話せない生き物と触れ合い、飼育員さんと一緒に時間を過ごす中で、本人の中で少しずつ変化が生まれてきます。

 -園内の清掃や動物への食事の準備が丁寧に描かれています。

 ★佐藤 作業は何でも楽しかったです。自分が普通に見ていた動物園の裏側を見ることができたので。えさの量は曜日によって何を何キロあげるとか決まってるんですよ。そういう栄養管理を知って、本当に飼育員の方々が気を配っていると感じました。

 -大牟田市動物園は、動物の生活を豊かにする活動で知られています。

 ★佐藤 「環境エンリッチメント」という世界的な取り組みをされています。動物が暮らしやすく生涯を終えるように、いろいろと動物を楽しませています。この映画でも紹介していて、動物園への見方が変わると思います。動物ってただ見てかわいいと思うだけじゃなく、命を感じさせる。動物園って命を感じさせてくれる場所なんだな、って思いますね。

 -周囲の登場人物が印象的なせりふを語ります。

 ★佐藤 園長役の武田鉄矢さんと2人のシーンで、台本に沿ってはいるんですが、武田さん自身の言葉で話されて、心にぐさっと刺さりました。

 -大牟田の方言がふんだんに出てきます。

 ★佐藤 自分も同じ福岡で方言を話せることがよかったです。方言って自分の素が出るので。現場では、大牟田出身の女優、林田麻里さんが方言指導して、助けてもらいました。

 -大牟田の印象はどうですか。

 ★佐藤 ホテルから毎日歩いて現場に通ったんですが、景色がきれいでしたね。動物園も丘の上にあって街が見渡せて。自分もすごく溶け込みやすかった。今回、大牟田の方々に助けていただき、この映画ができました。地元の方が送迎や炊き出しをしてくださり、思い出深かったです。

 -あらためて、俳優になったきっかけを。

 ★佐藤 もともと映画やドラマが好きで、いつか俳優をやってみたいと思っていました。友達から誘われて、福岡でオーディションを受け、スクールに通いました。中学まで9年間野球をしていたので、課外で部活をするイメージですかね。いろんな人がいて、世界が広がった感じでした。

 -その後、上京します。気負いはありましたか。

 ★佐藤 東京でオーディションを受けて高校3年で上京したんですが、将来をぼんやり考え始めた時期だったので、東京への憧れはなかったです。地元を出たときも、そんなに身構えてはいなかった。親も気張らずに送り出してくれました。ただ、今回の映画の話が来たとき、親に恩返しできるなって思いましたね。

 -ところで、動物園はよく行きますか?

 ★佐藤 以前から行ってました。福岡でも、東京でも。初めて1人で海外旅行をしたとき、米ロサンゼルスの動物園に行きました。自分で調べて、どんな動物が生きているんだろうって。動物園、大好きですね。

 (文と写真・根井輝雄)

 ▼さとう・かんた 1996年6月16日生まれ、福岡市出身。2015年から劇団EXILEに加入。映画「イタズラなKiss」シリーズ(16年~)で初主演。「HIGH&LOW」の全シリーズ(16年~)にも出演。このほか映画「恋と嘘(うそ)」(17年)「今日も嫌がらせ弁当」(19年)などにも出演。

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