「北斗の水くみ」絵本に 九州北岸だけの天体ショー 「貴重な現象体感して」

西日本新聞 社会面 床波 昌雄

 国内では夏から秋にかけて、福岡県宗像市など北部九州の海岸数カ所でしか見ることができない天体現象が絵本になった。夜空に輝く北斗七星が海水をすくうように見えるさまから名付けられた「北斗の水くみ」。福岡市在住の天文学者らが、子どもたちにも知ってもらいたいと物語に仕立て、絵本「ほくとのみずくみ」を制作した。水くみ現象が起こる仕組みなども分かりやすく紹介している。

 北斗七星はおおぐま座の一部を構成する七つの星で、線で結ぶとひしゃくのような形になる。「北斗の水くみ」はひしゃくの先端部分が水平線に沈み、水をすくっているように見える現象。7~11月、北に水平線を見渡せる北緯34度付近の海岸線でしか観測できない。この条件を満たすのは、国内では北九州市若松区-宗像市のさつき松原間の海岸と宗像市大島北岸に限られるという。

 この世界的にも珍しい天体ショーの認知度を上げるため、「北斗の水くみ」の名付け親でもある天文学者で、福岡教育大名誉教授の平井正則さん(76)らが呼び掛け、2013年に宗像市が玄界灘沿いに「北斗の水くみ海浜公園」を整備した。

 子どもたちにも興味を持ってもらおうと、平井さんと宗像市のむなかた電子博物館運営委員平松秋子さん(74)、地質学研究家の堀内伸太郎さん(51)の3人が、「絵本を編む会」を設立。平松さんが文章を、堀内さんの母で画家の弘子さん(83)が作画を担当し、2年半かけて完成させた。

 物語は、7人の子ども(北斗七星)が母である北極星のお使いで海に水をくみに行く物語を、男の子が祖母から教わり、家族で実際に観察に行くという内容。絵本の表紙には海浜公園の「幸せの鐘」が描かれ、堀内さんが撮影した北斗七星の写真も掲載している。

 水くみ現象についても解説。4人は「絵本を読んだ後は、ぜひ玄界灘の海岸を訪れ貴重な自然現象を見てほしい」と話している。

 「ほくとのみずくみ」は、梓書院(福岡市)から出版。1650円(税込み)。書店で販売している。 (床波昌雄)

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