藝術舞台2019 令和のはじめ(5完)日本舞踊「釣女」 物語るは男女の機微

西日本新聞 ふくおか都市圏版

 「釣女」は男女の機微を物語る。古くは狂言に始まり、明治時代に常磐津、歌舞伎、文楽でも演じられた人気の一番。藤間勢之助自身3度目の挑戦である。

 定まった妻のない大名が、同じく独身の太郎冠者を伴って恵比寿神社に詣で、願をかけると1本の釣りざおを授かる。お告げの通り「小野小町か楊貴妃か」という美女が釣れ、喜んで祝言をあげた。その釣りざおを借りた太郎冠者が糸を垂れると同じように女性が釣れ、祝言を挙げた太郎冠者だが、女性が被りを外すと二目と見られぬ醜女だった。

 藤間勢之助は福岡市博多区の生まれ。父の指導は厳しく稽古場の柱に縛り付けられたという。新劇俳優を夢見た時期もあったが、藤間紋寿郎の内弟子となって踊りに開眼した。

 さて「釣女」である。逃げ惑う太郎冠者だがそこは醜女の深情け。最後はドタバタの喜劇となる。

 芸術舞台2019のトリ。「いろいろな出し物があるでしょうが、最後は笑ってもらおうと思ってね」

 「釣女」は人間のありようそのものを笑う。「どこまで崩すか悩みます。最終的には共演者との呼吸、観衆の反応で決まるでしょう」。踊りは生き物である。 =文中敬称略

 (終わり、井口幸久が担当しました)

 ▼藝術舞台2019 12月1日午前10時半開演、福岡市民会館。全席自由、4千円(当日4500円)。入場券はチケットぴあで販売中。問い合わせは福岡文化連盟=092(711)5585。

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