小学校プログラミング、戸惑う現場 来春必修化 モデル授業に学生協力

西日本新聞 長崎・佐世保版 徳増 瑛子

 2020年度から小学校で「プログラミング」が必修化される。将来、子どもたちがコンピューターを主体的、効果的に活用できるようになるための布石だ。だが対象とすべき学年や詳細な授業内容は国から示されておらず、学校関係者からは不安が漏れる。

 10月24日に長崎市立西北小で開かれたモデル授業。5年生37人がペアになって、タブレット端末で図形を描く作業に取り組んだ。端末内ではキャラクター「ピョンキー」の動きに応じて線が引かれ、児童たちはピョンキーに動き方を指示。この「指示」がプログラミングに当たる。

 この日の課題は正多角形。児童は画面上でピョンキーが動く歩数や角度を設定。失敗を繰り返しながらも、コンピューターは指示で動き、指示を誤れば正しく操作できないことを学習。授業を受けた谷村和奏さん(10)は「難しいけど楽しい。ワクワクする」。担任の江副和生教諭(47)は「試行錯誤を繰り返すことが子どもの成長につながる」と話した。

 すべての学校でこんなふうにスムーズにいくのが理想だが、現場は戸惑う。

 経済産業省の調査によると、高度な情報技術(IT)を駆使できる人材の需要は高まりが見込まれるという。変化の激しい時代を生き抜くため、ITへの対応は確かに必要な能力だろう。しかし、文部科学省の学習指導要領は、プログラミングを使って「論理的思考力」を培うように、との曖昧な表記にとどまる。今月、同省が示した手引書(第二版)でも、「各学校の創意工夫を生かした教育の展開が期待される」「企業や市民ボランティアとの連携が有効」などの抽象的なアドバイスが並ぶだけ。具体的な授業の事例は乏しい。モデル授業を見学した同市立戸町小の宇土卓也教諭(34)は「まだ授業のイメージができていない」と不安な表情を浮かべた。

 そんな苦境にあえぐ教師たちに協力するのは、長崎総合科学大(長崎市)の学生たち。世間に出回る数多くのプログラミング教材を教師に代わって体験し、どれが児童にとって使いやすいか、教師が指導しやすいか、感想を伝えている。10月26日には県内の教員を対象にした同大主催の研修会もあった。総合情報学部マネジメント工学コース講師の山路学さん(46)は「先生たちが戸惑うのは当然。子どもが楽しくプログラミングを学ぶためにも、先生自身が楽しみながら授業内容を検討できる環境づくりが大切」と話す。

 必修化のスタートまであと5カ月。準備は大丈夫でしょうか?

 (徳増瑛子)

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