「イオン上峰店」閉店8カ月 建設、運営業者決まらず

西日本新聞 佐賀版 星野 楽

 上峰町坊所の商業施設「イオン上峰店」が2月末に閉店して8カ月が過ぎた。町は跡地の再開発へ中心市街地活性化事業を打ち出し、2021年夏の新施設開業を目指す。一方で、5月末の予定だった運営や建設を担う事業者の選定が遅れている。新たな町のシンボルの完成に町民の期待が高まる中、順調に施設建設が動きだすのかは不透明で、不安の声も上がっている。

 看板から「イオン」の文字が取り外された建物。県内のみならず、隣接する福岡県筑後地区も含め大規模小売店の先駆けとして国道34号付近に建てられ、町のにぎわい作りの一翼を担ってきた。「閉店後の建物を見ると寂しくなる。家族で食事や買い物に行けるような場所を早く作ってほしいね」。週に2、3回買い物に来ていた松尾博行さん(80)=吉野ケ里町=は残念そうな表情。

 閉店は建物の老朽化や売り上げの低迷などが理由だった。閉店前、町はイオン九州(福岡市)から約3万9千平方メートルの土地と建物を無償で譲り受ける基本合意を締結。跡地に町特産品の直売所や「道の駅」などの商業施設のほか、賃貸住宅も建設し、一帯を町の交流拠点とする構想を掲げた。その後、民間事業者の資金やノウハウを活用する「PFI方式」による再開発を進め、工事などを担う参加事業者の選定を5月末と予定していた。

 だが、予定から5カ月が過ぎた今も、事業者は決まっていない。町「まち・ひと・しごと創生室」の河上昌弘室長は「町がどれだけ事業費を負担するかなどの条件面で事業者との協議が続いている」と説明する。

 9月には町教育委員会から、跡地への町体育センターと町社会体育施設(武道館)の移設の相談があったことも遅れの要因とする。河上室長は「事業者に説明してきた再開発の条件を変える必要性も出てきた。協議は長引く可能性もある」と話し、先行きは見通せない状況だ。

 町議会9月定例会では、議員から「再来年の開業は間に合うのか。町民から心配の声が上がっている」との指摘も出た。河上室長は「大幅に遅れてはおらず、想定の範囲内と認識している」と理解を求めた。

 町は体育センターなどの移設を含め、事業者と引き続き対話を重ねる考えだ。武広勇平町長は10月31日の定例記者会見で「予定通り21年の開業を目指していく」と強調した。(星野楽)

佐賀県の天気予報

PR

佐賀 アクセスランキング

PR

注目のテーマ