天草ジオパーク認定返上へ  全国初、交流人口増えず  来年3月末

西日本新聞 古川 努

 貴重な地質や地形を保全する自然公園「日本ジオパーク」に認定されている熊本県の「天草ジオパーク」(天草市、上天草市、苓北町)について、天草ジオパーク推進協議会(会長=中村五木・天草市長)は来年3月末で認定を返上することを決めた。全国に44地域ある日本ジオパークの認定返上は初めて。

 天草地域は大小約120の島々が点在し、風化や浸食による崖や斜面が現れる「ケスタ地形」が特徴。国内最大級の恐竜の化石が出土した地域内の「御所浦島」が2009年に日本ジオパークに認定され、14年に2市1町全域に拡大された。

 今年1月、4年に1度の再認定審査で日本ジオパーク委員会は「御所浦エリアの活動は活発だが、天草全体では不十分」と指摘。2年以内の改善を求める「条件付き再認定」とした。

 協議会によると、条件付き再認定をきっかけに「解説板の設置などの費用対効果が薄い」との意見が浮上。今月11日に認定返上を決めたという。中村市長は「10年間で計1億1千万円を投じたが、交流人口の増加などのメリットがなかった」と説明した。今後はジオパークの経験を生かしながら、昨年登録された世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」とのタイアップなどで交流人口の増加を図る方針。

 日本ジオパークネットワーク(東京)の斉藤清一事務局長は「世界遺産と比べると地味な活動だが、継続すれば地質保全だけでなく教育や観光にもつながる。地域で検討された結果は尊重するが残念だ」と話した。(金子寛昭、古川努)

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【ワードBOX】ジオパーク

 英語で地球や大地を表す「ジオ」と、公園の「パーク」を組み合わせた言葉。国連教育科学文化機関(ユネスコ)が認定する世界ジオパークがあり、国内版は日本ジオパーク。地層、地形、火山などの自然を保護し、地域振興に活用する目的。日本ジオパークには「豊後大野」(大分)、「桜島・錦江湾」(鹿児島)など44地域が認定されている。このうち「島原半島」(長崎)や「阿蘇」(熊本)など9地域は世界ジオパークにも認定されている。

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