3Dプリンター作製の人工血管 佐大、来春にも臨床開始

西日本新聞 佐賀版 梅本 邦明

 佐賀大医学部の中山功一教授(臓器再生医工学)らの研究チームは12日、「バイオ3Dプリンター」を使って人工透析患者の皮膚の細胞から血管を作製し、患者に移植する臨床研究を、早ければ2020年4月にも始めると発表した。同大によると、バイオ3Dプリンターで細胞から作製した構造体を人に移植するのは世界で初めてという。

 バイオ3Dプリンターは人の細胞から立体的な構造体を作る。人工血管は、採取した細胞を培養して塊を作り、筒状に配置した針に刺して積み重ねて形成。直径約5ミリ、長さ約5センチの血管ができる。

 人工透析は腎不全の患者から血液を取り出し、浄化して戻す治療法。多量の血液を取り出しやすくするシャント(分路)が必要だが、樹脂製だと内部が詰まる可能性がある。今回は人の細胞を使うため、アレルギー反応や細菌の感染リスクを抑制する効果が期待できるという。

 臨床研究は末期の腎不全でシャントにトラブルを抱える患者3人を想定。脚の皮膚を採取し、愛知県蒲郡市の再生医療ベンチャーにある3Dプリンターで人工血管を作製後、シャントとして移植。出血や拒絶反応などがないかを確認する。

 中山教授は記者会見で「実際に患者と研究する段階に入る。想定しないような事も起こり得るので慎重に進めたい」と話した。(梅本邦明)

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