知事見解「おわびしている」 石木ダム追い風発言 誰に?残る曖昧さ
県と佐世保市が進める石木ダム建設事業(川棚町)を担う県河川課長が近年の豪雨災害を念頭に「追い風だ」と発言、撤回した問題で中村法道知事は13日、「(県として既に)おわびしている」との認識を示した。ただ、県の謝罪が誰を対象としたのかなど、それ以上に明確な言及はなく、曖昧さが残った。
問題の発言は、10月末に事業推進派議員らの会合での出来事。課長は今月5日の会見で「誤解を生む内容で申し訳ない。不適切だった」と発言を撤回したものの、「謝罪会見ではない」と強調した。
この日、問題発言に初めて触れた知事の「おわびしている」が誰を対象にしたものだったか定かではない。知事発言の真意を河川課に尋ねたところ、担当者は5日の会見で「申し訳ない」と述べた部分を持ち出し、「豪雨災害被災者へのおわびだった」と説明。一方、その際に「謝罪会見ではない」としたことへの明確な説明は得られなかった。
県公共事業評価監視委員会は13日、石木ダム事業の工期延期を認める意見書を提出した。(岡部由佳里)