「被爆の実相、布絵本で感じて」 長崎市の市民グループ、追悼平和祈念館に贈る

西日本新聞 長崎・佐世保版 華山 哲幸

 布で絵本やおもちゃを作る長崎市の市民グループが原爆をテーマにした布絵本を手掛け、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館に寄贈した。中心メンバーの坂井淑子さん(81)ら会員には被爆者も多く、「絵本に触れながら読むことで、悲惨さを肌で感じてほしい」と話す。

 グループ名は「北部ゆりの会」。原爆をテーマにするきっかけは2011年の東日本大震災だ。東京電力福島第1原発事故のニュース映像を見た坂井さんは、爆心地から4・3キロの近さで被爆したことをあらためて思い返した。

 「被爆者として、原爆のことを伝えないといけない」。同じ「原子力」がもたらした惨状を再び目の当たりにし、そんな思いに駆られたという。

 絵本は縦30センチ、横40センチで全28ページ。坂井さんの素案を基にメンバー11人で取り組み、15年に完成。木綿生地に糸や布を縫い付けたり、写真をプリントしたりしている。被爆者が運び込まれた救護所や破壊された浦上天主堂、きのこ雲などを表現しており、各地で行う絵本やおもちゃの作品展で展示してきたほか、読み聞かせなどに活用してきた。

 絵本は祈念館の交流ラウンジで公開。黒川智夫館長は「多くの外国人も来館する。体験記とは違った側面から被爆の実相を感じ取ってほしい」と話している。(華山哲幸)

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