北橋市長「市民力が結集」 工藤会本部の荷物搬出開始

西日本新聞 北九州版 内田 完爾

 「安全な街をつくる、大きなチームワークを誇りに思う」。特定危険指定暴力団工藤会の本部事務所(小倉北区)の売買契約成立を受け、荷物の搬出が始まった13日、北九州市の北橋健治市長は定例記者会見で、事務所撤去に向けて市民一丸となった運動の歩みを振り返りながら、「日本一安全・安心な街」をつくるとの決意を新たに宣言した。

 市の暴力団追放運動の道のりは平たんではなかった。工藤会が関与したとされる一連の市民襲撃事件。2010年3月には、運動のリーダー的存在だった小倉南区の自治総連合会長宅に銃弾が撃ち込まれた。市を挙げて暴力に対峙(たいじ)するよう訴える北橋市長にも、自身や周辺に危害をくわえることをほのめかす封書が郵送されてきた。

 それでも、暴追大会での本部事務所の撤去要求など運動の前面に立つ姿勢は崩さなかった。北橋市長はそうした経緯に触れ、「頑張ってきて良かったなとしみじみと今、感じる」と振り返った。

 会見で印象深げに語ったのは、自治会長宅の銃撃事件にまつわるある出来事だ。事件の報道があった日、市長は企業誘致で東京の2社の社長と面会。その説明資料の中にあった「(大地震や津波の歴史がない)投資に安全な街」という言葉を口にすることはできなかったという。暴力団の問題を解決しないと、新規の投資を呼び込めないと強く危機感を抱いた。「(安全な街を実現しない限り)地域の発展はないと、自分に言い聞かせた」という。

 事務所の解体が現実になろうとする今、北橋市長は「警察、事業者、市民一丸となって大きな態勢ができた。安全な街づくりに対する市民力が結集された」と語る一方、「暴力団排除や事務所撤去にとどまらない安全な街をつくる」とも強調。元組員への再就職支援や、民間の防犯カメラ設置への補助金支出などによる犯罪抑止策に引き続き取り組む姿勢も示した。 (内田完爾)

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