中岳第4火口ツアー構想 阿蘇市の官民 欧米からの観光客狙い 規制解除後実現を模索 安全対策が課題

西日本新聞 熊本版 佐藤 倫之

 阿蘇中岳第1火口(阿蘇市)近くにあり、現在は活動を休止している同第4火口跡を、新たな観光スポットとして売り出す構想が浮上している。地元の官民による会合が14日、同市で開かれた。来年の東京五輪開催をにらみ、外国人観光客の誘致につなげたい考え。ただ、今春から活発な噴火活動が続く第1火口から半径1キロ内は観光客の立ち入りが規制され、第4火口も規制区域内にある。安全対策など課題も多いが、規制解除後の実現に向けて模索が続いている。

 火口見物は、阿蘇観光の目玉の一つ。活動平穏時に火口縁まで近づき、見物できる観光地は全国でも珍しい。ところが第1火口では近年、平穏時でも有毒な火山ガスの影響で見物できない日が少なくない。その代替地として浮上しているのが第4火口跡だ。

 第4火口跡は第1火口の南方、砂千里ケ浜近くにある。第1火口と同規模(直径約400メートル)のすり鉢状の火口跡が残っており、グランドキャニオン(米国)のような風景が広がっているという。今回の構想は、一定の条件下で立ち入り規制を解除し、観光に活用しようとする試みだ。

 熊本地震後の観光客数が伸び悩む中、地元関係者は、山歩きを好む欧米からの観光客向けに「火口底を体感できる散策コース」として整備したい考え。東京五輪に向け、訪日客の受け皿を整備する観光庁事業にも位置付けられている。

 最大の課題は安全対策。火山活動の動向やガス濃度を注視しながら、専門ガイドが案内するツアーを検討しているが、実施の判断や非常時の避難誘導をどうするか、論議が続いている。14日の会合でも、最終判断者や権限の所在、非常時の連絡態勢などについて協議された。

 今後は専門ガイドの研修にも取り組み、本年度中に実施計画を策定。噴火活動の動向も見計らいながら、早ければ来年度から実施したい考えだ。(佐藤倫之)

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阿蘇中岳火口 中岳には第1~第7火口があり、現在活動しているのは最も北側にある第1火口だけ。近代に入り最も噴火活動が活発だったのは、大正、昭和時代にまたがる1920年代。第1~第4火口が活動し、一時は3本の噴煙が見えたという。作家の徳富蘇峰や徳永直(すなお)らが小説や随筆に記している。第4火口は30年に活動を休止。79年の第1火口噴火(観光客ら14人死傷)の後、第4火口跡への立ち入りは常時規制されている。

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