邦人犠牲の釜山射撃場火災から10年 海外での事故補償問い直す 国またぐ被害者支援必要

西日本新聞 長崎・佐世保版 坪井 映里香 西田 昌矢

 10年前に韓国・釜山市の射撃場で日本人観光客10人を含む15人が犠牲になった火災では、雲仙市の遺族や県内の支援者たちは補償金を巡る難しい交渉にも直面。海外で日本人が事故や事件に巻き込まれた際の被害者支援の在り方を問い直すものでもあった。

 釜山市は特別条例を制定し、火災の責任者である射撃場の経営者らに代わって、日本人など15人の遺族や重傷者1人に補償金を支払った。だがそれに至るまでの市との交渉は、葬儀費や治療費の相場が両国で異なるため、双方が合意するには4カ月かかった。

 火災から1年後には、遺族らの支援に当たった長崎市のNPO法人(当時)「長崎犯罪被害者支援センター」と、釜山市の支援団体が交流協定を締結。日本側に情報開示の請求権がない刑事裁判に関する情報も釜山の支援団体を通じて入手し、日本の遺族3人が釜山の法廷の場に立った。

 ただその後、日韓関係が冷え込むなどした影響もあり、具体的な交流は行われていないという。

 火災当時の長崎犯罪被害者支援センター理事長で、遺族らの支援に当たった塩飽志郎弁護士は「海外交流が盛んになった今、日本人が外国で巻き込まれる事件・事故、その逆も起こりうる。国をまたいだ被害者支援の必要性は増す」と指摘する。(西田昌矢、坪井映里香)

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