【特派員オンライン】「二度と来るな」の意味

西日本新聞 国際面 川合 秀紀

 「出国スタンプは押せない」。9日、タイ国境に接するカンボジア・ポイペトの出国検査所。係官は繰り返した。「タイが入国を認めないからだ」

 意味が分からない。私は約30分前に出入国検査を受け、タイ側から徒歩でポイペトに入ったばかり。そもそもカンボジアの係官がなぜタイ入国の可否を語るのか。「あっちで聞いてこい」。やりとりの末、係官の指示で数百メートル先のタイ側の入国検査所へ。するとタイの係官は問題はなく入国できると言う。

 ポイペト側に戻ると、今度は文書にしてもらえ、と来た。粘っていると上司らしき人間が現れて言い放った。「二度と来るな。おまえの写真はもう撮っている。忘れるな」。そして、スタンプが荒っぽく押された。

 この日は、海外逃亡中のカンボジア元最大野党党首が政権打倒を掲げタイ側からポイペトに入ると予告した日。多くの武装兵士らが警戒に当たっていた。

 新聞記者であることはビザで分かる。直前にタイ側で元党首の支持者と会っていた情報も伝わっていたかもしれない。あの脅しはメディアへの嫌がらせか、あるいは別の理由があるのか。いつか再訪して確かめたい。 (バンコク・川合 秀紀)

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