「区議選先送りが狙い」 保釈中の香港立法会議員に聞く 民主派一斉逮捕、デモ隊締め付け

西日本新聞 国際面 川原田 健雄

 【香港・川原田健雄】香港立法会(議会)の審議を妨害したとして一斉逮捕された民主派議員の一人、区諾軒氏(32)=保釈中=が14日、西日本新聞の取材に応じた。今月に入り、香港当局がデモ隊や民主派への締め付けを強めていることについて「市民を挑発して混乱を拡大させる狙いだ」と主張。24日投票の区議会(地方議会)選挙で民主派の伸長が予想されるため、当局が混乱拡大を理由に選挙を中止しようとしていると指摘した。

 区氏を逮捕しようと警官が自宅へ来たのは8日夜。外出中だった区氏は9日未明に警察署へ出頭。逮捕容疑を聞いて驚いた。今年5月に立法会の委員会で親中派議員の発言を妨げようとしたことが立法会議員の権利を定めた条例に違反したとみなされたからだ。「親中派議員のマイクを奪おうとしたが、できなかった。それが犯罪になるなんて」

 約3時間に及ぶ取り調べの後、帰宅を許されたが、後日、区氏を含む民主派議員計7人が起訴された。「半年も前のことを今ごろ持ち出すのは政治的な目的がある」と区氏は指摘する。

 18区議会の計452議席を直接選挙で選ぶ区議選は民意を反映しやすいとされる。現在は親中派が議席の約3分の2を占めるが、市民の反政府感情が高まる中、今回は民主派の議席増が予想される。香港では立法会と区議会の議員の兼職が可能で、起訴された7人のうち4人が区議選に立候補していた。

 区氏によると、中国政府の出先機関が選挙情勢を調べたところ、親中派の敗北濃厚という予測が出たという。「その後、親中派から区議選の先送り論がささやかれるようになった」と明かす。

 市民感情を刺激するのは民主派議員の一斉逮捕だけではない。8日には警察との衝突現場近くの立体駐車場から転落し、重体となっていた大学生が死亡。11日は警官が抗議活動中の若者らに実弾3発を発砲し、1人が一時重体に。若者たちは抗議活動を激化させ、14日には全ての幼稚園や小中学校が休校となった。

 区議選を先送りにすれば、政治制度への市民の不信はさらに強まり、混乱が深まるのは必至だ。香港政府が近く夜間外出禁止令を出すとの見方も広がる。「強権的に抑え付けても問題をカーペットの下に隠すようなもの。(普通選挙など)抜本的な政治改革が必要だ」。区氏は力を込めた。

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